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『リハビリテーションの「質」が上がるカルテの書き方』より

連載 平野 明日香

2026.06.24

「何を書けばいいの?」がわかれば「何をすればいいの?」がわかるようになる――カルテが的確に記載できれば,臨床思考は整理され,リハビリテーションの方針が明確になります。その結果として患者の帰結が改善し,他者への情報共有が促進され,業務効率化がはかれます。
リハビリテーションの「質」が上がるカルテの書き方』は,生きたカルテが書けるようになりたい,そんなあなたにおすすめの一冊です。今日から使える記載例も満載です!

「医学界新聞プラス」では、本書からカルテの基礎知識や具体的な記載方法に関する項目をピックアップし、4週にわたりご紹介します。

日常のカルテの素朴な疑問

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情報過多になる背景には、「すべてを書かねばならない」という思い込みがあるのかもしれません。実際には、カルテはすべての情報を書く必要はなく、情報を選んで書くものです。
SOAPは、その選択と構造化を助けてくれる非常に有効な枠組みです。特にAssessment(評価)では、「何を、どうとらえたか?」を言語化することが求められます。これは、医療者の判断力・観察力を示すものであり、治療の質を左右する重要な要素です。SOAPを用いることで、内容の取捨選択と伝達の効率化が同時にはかれます。
優先順位の決め方の一案として、急性期ではバイタルサインや転倒リスクなどリスク管理に関わることを優先します。リスク管理をしっかり行わないと、患者の生命を脅かしたり、回復を阻害したりするおそれがあります。回復期では、全身状態は安定してきているので、今後の生活へ向けたADLの帰結予測や現状のADL能力などを優先します。そのほか、疾患や患者によっても優先度は異なります。その患者にとって重要な問題は何かを正しくとらえることが重要です。ICFの活用は、個々の問題や優先順位を明確にすることにつながります(本書第3章30頁)。

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「今日は特に何もなかった」「いつもどおりだった」という日は、同じようなカルテ記載になりやすいです。「特に変化がない」というのは安定していてよい反面、目標に向けたリハが不十分であったり、考察が不足したりしている可能性があります。
「どのようなリハが効果があるのか」「どの機能が維持されているのか」「今後は何に注意が必要か」などの視点は、患者によって異なります。さらにその視点も日々変化します。「変化がない」=「記載がいらない」ではありません。特に回復期や長期入院の場面では、「安定のなかにある兆し」や「小さな変化」がそのあとの方針に大きく影響します。SOAPを用いることで、単なる「定型記録」が、「観察と意図のある記録」へと変わります。
患者本人がその日に言っていた特徴的な言葉を記載して、Subjectiveから心境の変化を読みとれるようにすることもできます。「今日は何が安定していたか」を具体化することでObjectiveに広がりをもたせることもできます。次の段階や見落としやすい点に目を向けることで、Assessmentの部分に深みをもたせたりすることが大切です。
「書くことがない」と感じる日こそ、記録者の観察力・着眼点が問われています。SOAPの枠組みを活用して、記録の質を高めるように意識しましょう。

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「何を書けばいいの?」がわかれば「何をすればいいの?」がわかるようになる。

今日から使える“生きた記載例”満載。カルテは、診療報酬や病院機能評価の根拠となるだけでなく、臨床の質を底上げし、業務効率を高める強力なツールです。カルテを的確に記載すれば、臨床推論は整理され、リハビリテーション方針が明確になり、その結果として、業務効率も患者のアウトカムも確実に向上します。評価が伝わる。思考が見える。臨床が変わる。そんな誰もが読みたくなるようなカルテが書けるようになります!

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