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回復期リハビリテーションで「困った!」ときの臨床ノート

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カルテ、検査値、画像、そして目の前にいる患者さん。いったい、どこから何を読み取ればよいのしょうか? どうやって優先順位をつければよいのでしょうか?本書で紹介する7つのステップにそって情報を整理すると、患者さんを的確に把握でき、するべきことが見えてきます。本書は、回復期リハで直面する「困った!」を症例ベースで取り上げ、解決までの道筋を示します。さあ、自分なりの臨床判断の「型」を身につけませんか?

監修 杉田 之宏 / 藤原 俊之
編集 高橋 哲也 / 藤野 雄次
発行 2022年03月判型:B5頁:256
ISBN 978-4-260-04648-0
定価 4,180円 (本体3,800円+税)

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監修の辞

 近年,リハビリテーションの進歩はめざましく,新たに数多くの科学的なエビデンスが示されています.しかし,実際の治療に役立つリハビリテーション技術の習得は,医学論文や教科書からの知識だけでは難しく,実臨床に基づいた経験の積み重ねにはかないません.一方で,個人の臨床経験の積み重ねだけでは限界があることも確かです.これはリハビリテーションだけでなく,医学のどの分野においても,特に初学者や新入職員に対する教育に携わる者ならば,誰もが痛感していることです.

 回復期リハビリテーション病棟の設立は,わが国のリハビリテーションの大きな転換点となりました.回復期リハビリテーション病棟は医療システムだけでなく,リハビリテーションのあり方,考え方に大きな影響を与え,現在ではリハビリテーション医療における1 つの中心的な役割を担っています.

 本書は,回復期リハビリテーション病棟のリハビリテーションスタッフが実際に遭遇した症例について,大学で教育,研究と診療に携わっている先生方に,その幅広い知識や経験に基づいてご指導いただいたものを書籍にまとめました.各症例のリハビリテーションにおける重要なポイントを理解することで,症例把握のステップの習得を目指しています.これに加えて,臨床経験の浅いセラピストがベッドサイドでよく遭遇する悩みや疑問点についてもわかりやすく回答し,すぐに実臨床に役立つ内容となっています.

 本書は経験の浅い理学療法士,作業療法士,言語聴覚士だけでなく,その指導にあたる中堅からベテランまで,さらにリハビリテーション科や脳神経内科,脳神経外科,整形外科などリハビリテーションに関与する医師が,スタッフの視点からリハビリテーションへの理解を深めることができ,教育から臨床まで幅広く役に立つものと期待しています.

 本書を通じて一人でも多くの方々によりよいリハビリテーションを提供できるようになることを願ってやみません.

2022年2月
杉田之宏


 「回復期リハビリテーション」は,その名の通り心身機能の回復を目指す「リハビリテーション医療」の中心です.その回復期リハビリテーションの現場では,社会の高齢化に伴い,以前と比べて重複した疾病や障害を有する患者さんが増えてきています.

 高齢者は加齢的変化によって,いくつもの臓器機能が低下しています.そもそも人間のからだは単なる臓器の集合体ではなく,臓器間で互いに影響し合う(助け合う)システムです.1 つの臓器や器官が障害されたときに,他の臓器や器官にどのような影響があるかを予測し,障害の連鎖・連関を見通すことで,リハビリテーションによるリスクを最小限に抑えることができます.あまりにも専門化・細分化しすぎた医療のなかで,全人的に人間をとらえ,特定の疾患や障害に限定せず多角的に診療を行うことができるセラピスト,さまざまな分野の知識と技術を統合し,個別性を考慮したリハビリテーション医療が実施できるセラピスト,超高齢社会においてジェネラリストであるセラピストの必要性が高まっていると感じています.

 臨床において,後輩を指導する側も,先輩から教えられる側も,ロールモデルは重要です.指導する側が特に意識していない場合でも「ロールモデル」という形で教えていることはありますが,「俺の背中をみて覚えろ!」というのではなく,1 つの「型」,「作法」,「柱」,「一定の所作」があって初めて自らの振る舞いが1つの教授法として成立します.

 本書では,症例把握の「型」として,7 つのステップをルーティンに行うことを推奨しています.若いセラピストがベッドサイドでよく遭遇する悩みや疑問点について,実際の症例を通して問答し,まるで臨床現場を体感するかのようです.臨床で困ることがあったら,ぜひとも本書を開いてみてください.

 本書は,赤羽リハビリテーション病院の杉田院長,順天堂大学リハビリテーション医学の藤原教授の監修により,内容の正確性と臨場感が増しました.われわれ執筆陣の経験に基づく記述を,少しでも多くのセラピストに共有していただき,臨床現場でご活用いただきながら,ご批評いただけましたら幸いです.

 最後に,長年にわたって私の心の奥底に潜めてきた本書のアイデアを,現実のものとしてくださった医学書院の皆さんに心から感謝いたします.

2022年2月
高橋哲也

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第1章 病態把握と症例理解の標準化
 ステップ1 「年齢・性別・身長・体重」から何がわかるか?
 ステップ2 「診断名・現病歴・既往歴」から何に気をつけるか?
 ステップ3 「医学的検査所見」のどこに注目するか?
 ステップ4 「服薬状況」から何がわかるか?
 ステップ5 「運動機能,精神心理・認知機能」をどうやって把握するか?
 ステップ6 「入院前 ADL,退院時に必要な能力」の見極めは?
 ステップ7 「リスクに関する医師の指示・コメント」を確認しよう!

第2章 回復期リハビリテーションで「困った!」Q&A
 情報収集・評価の「困った!」
  Q1 急性期病院からの診療情報は,何を見ればよいですか?
  Q2 脳画像をどのように活用すればよいですか?
  Q3 転倒リスクはどのように評価すればよいですか?
  Q4 病棟内でのカンファレンスでは,事前に何を準備すべきですか?
 プログラム立案時の「困った!」
  Q5 運動療法は,治療ベッドで臥位や座位の練習から始めるべきですか?
  Q6 ADL が自立している人には,どんなリハビリテーションをすればよいでしょうか?
  Q7 意識障害が重度の場合,どのようなリハビリテーションをすればよいですか?
 脈拍が気になる!
  Q8 起居動作だけで心拍数が120 回/分を超えてしまいます.どうすればよいでしょうか?
  Q9 安静時から心拍数が120~130 回/分を超えています.どうすればよいでしょうか?
  Q10 安静時から脈拍数が45~50 回/分とかなり少なく,リハビリテーションを進めていくうえで不安です.どうすればよいでしょうか?
 血圧が気になる!
  Q11 安静時から収縮期血圧が180~200 mmHg と高いのですが,どうすればよいでしょうか?
  Q12 少し歩いただけで収縮期血圧が180 mmHg を超えますが,どうすればよいでしょうか?
  Q13 ベッド上の端座位で血圧が低下し,意識も低下します.どうすればよいでしょうか?
 呼吸機能が気になる!
  Q14 安静時から息切れがありますが,本人は「大丈夫」と言っています.どうすればよいでしょうか?
  Q15 歩行時に息切れを訴える患者さんに,どこまで負荷をかけてよいでしょうか?
  Q16 わずかな動作で呼吸困難感とSpO2 の低下がある場合,どのようなリハビリテーションができるでしょうか?
  Q17 酸素投与中の患者さんのリハビリテーションにはどのような注意が必要でしょうか?
 循環機能が気になる!
  Q18 既往歴に「心不全」がある患者さんの運動負荷量はどうしたらよいでしょうか?
  Q19 ペースメーカを挿入している患者さんのリスク管理はどうすればよいでしょうか?
  Q20 心筋梗塞のリスクが高い患者さんへのリハビリテーションは,どうすればよいでしょうか?
  Q21 安静時から胸痛の訴えがあります.どう対応すればよいでしょうか?
  Q22 麻痺側下腿から足部にかけて,浮腫が出現してきたら,どうすればよいですか?
 フレイルが気になる!
  Q23 低栄養の患者さんへのリハビリテーションは,どうしたらよいでしょうか?
高次脳機能障害の「困った!」
  Q24 注意障害がある患者さんには,どのような対応をすればよいですか?
  Q25 半側空間無視の予後予測や治療はどのように考えればよいですか?
  Q26 起き上がり動作時に麻痺側上肢を忘れてしまうのはなぜですか?
リハビリテーションの「困った!」
  Q27 麻痺側肩関節を痛がる患者さんには,どのような評価やアプローチをすべきですか?
  Q28 麻痺側下肢に荷重すると,麻痺側に倒れてしまうのはなぜですか?
  Q29 女性セラピストが,重度片麻痺患者に歩行練習をするコツは?
  Q30 深部感覚障害には,どのように感覚入力をするのですか?
  Q31 患者さんから「疲れた」とリハビリテーションを拒否されてしまいます.どうしたらよいですか?
  Q32 意欲低下がある患者さんに必要な評価や治療の進め方のコツは?
  Q33 退院後にご家族の介護が必要になるのですが,どのように介助(介護)方法を指導していけばよいでしょうか?
現在のリハビリテーションでよいのか,心配です!
  Q34 リハビリテーションの効果が実感しづらいです
  Q35 いつまで機能回復を目指した歩行練習を継続し,いつから実用性を優先した歩行にすればよいですか?
家屋調査の「困った!」
  Q36 退院後に在宅酸素療法を予定している患者さんの家屋調査に伺うことになりました.どのようなことに注意して評価したらよいでしょうか?
  Q37 環境調整によって在宅復帰できそうな片麻痺の患者さんです.いつ,何に着目して家屋調査すべきですか?

おわりに
索引

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先輩セラピストの臨床思考と後輩セラピストの臨床課題が浮き彫りに
書評者:上野 勝弘(西記念ポートアイランドリハビリテーション病院リハビリテーション科統括科長)

 回復期リハビリテーション病棟は2000年4月に始まり,これまで多くの脳血管疾患や整形疾患の患者さんに対して,回復期のリハビリテーションに取り組んできました。そして,この22年間に高齢化は進み,患者さんが抱える障害像は多岐に変化してきています。

 2022年度の診療報酬改定では,「回復期リハビリテーションを要する状態」の対象に「急性心筋梗塞,狭心症発作その他急性発症した心大血管疾患又は手術後の状態」が追加され,心大血管疾患リハビリテーション料が算定可能となりました。また,重症患者の受け入れ割合が高められたこともあり,今後,回復期リハビリテーション病棟では,重複疾患・障害を有する重症度の高い患者さんを受け入れ,質の高いリハビリテーションを提供し,アウトカムを出すことが求められています。

 しかし,急性期での臨床経験が少ない若手セラピストも多く,多様化・重症化する患者さんに対応できる人材育成が課題となってきています。急性期・回復期・生活期と病床機能分化が進んだことにより,症状経過に沿った臨床を経験することが難しく,多様化・重症化した患者さんの状態に合わせた臨床介入に難渋するケースが見受けられています。

 本書は,回復期リハビリテーション病棟の臨床現場で困る事例に焦点を当て,症例把握の「型」を7つのステップに分けルーティン化し,臨床場面で遭遇する悩みや疑問点を解決していく,その糸口となるよう構成されています。第1章では,まず病態把握と症例理解を標準化するため社会的背景・全身状態の把握・リスク管理など7つのステップに分けられ,ルーティン化できる「型」を構成しています。第2章では実際の臨床場面で遭遇する事案に対し,「型」を通しながらどのように情報を収集・整理し,臨床活用していくのか,先輩セラピストと後輩セラピストのQ&A方式で提示されています。難渋症例に対して,先輩セラピストが解釈している視点と,後輩セラピストが解釈している視点にどのような違いがあるのか,その違いをうまく気付かせてくれる内容となっています。本書を通して先輩セラピストの臨床思考を学べる機会となり,また,後輩セラピストが陥りやすい臨床課題がどこなのかを考えさせられます。あらためてセラピスト自らの臨床思考を見直せる良い機会になるものと思います。

 「型から入って型を出る」と言われますが,「型」である7つのステップをルーティン化し,病態把握と症例理解を標準化するための基礎を学ぶことで,さらに「なぜ,そのように考えるのか」と深みのある解釈へつなげられるものと思います。「型」を出て,一人ひとりの患者さんに質の高いリハビリテーションが提供できるように,継続した学びの大切さに気付かせてもらえる書籍です。ぜひ本書を手にとって,7つのステップの「型」を感じとってください。


回復期リハビリテーション病棟での疑問を,臨床家の目線で解決できる一冊
書評者:山本 智史(イムス板橋リハビリテーション病院リハビリテーション科)

 回復期リハビリテーション病棟で働く療法士にとって必要な知識・スキルは,時代によって変化しており,ジェネラリストとしての知識が求められています。脳卒中や整形外科疾患のリハビリテーションに関する書籍は数多く出版されていますが,「回復期」という切り口の実践書は意外に少ないのではないでしょうか。

 本書は,回復期リハビリテーション病棟の患者さんを診る上で必要な情報を,余すことなく網羅しており,疾患や症状に留まらず,社会背景や評価についても解説を加えている良書だと思います。回復期病棟で働く初学者や若手の療法士に最初に読んでもらいたい本の一冊です。Q&Aで構成されており,読みやすく,初学者でも頭に入りやすくなっています。

 本書は,療法士が回復期病棟に入院した方を担当する際の実際の業務手順に沿って構成されています。基本情報・診療情報提供書の解釈や医師の指示など,他の書籍ではあまり見ない項目にもフォーカスを当てて解説してくれています。

 また,『「困った!」ときの臨床ノート』というだけあって,実際に回復期病棟で困ってしまう項目が多く,研修会などでは聞きにくい内容の解釈や解決方法まで記載されています。特にバイタルサインや循環器・呼吸器については,回復期病棟では専門的に診る機会が少なく,対応に慣れているセラピストは少ないと思いますが,初学者でも理解でき,対応できるように工夫して書かれています。2022年度より,心大血管疾患リハビリテーション料が回復期病棟で算定できるようになりましたが,回復期病棟で心疾患を診る上での第一歩として本書を参考にすることができると思います。

 現場で働いている療法士が中心となって執筆されているため,より臨床感が伝わる内容となっています。また,臨床現場での苦労や思いを感じる成書であり,本書を作成する上での努力を垣間見ることができました。

 コロナ禍で実習があまり経験できなかった療法士も多いのではないでしょうか。臨床に入る第一歩として本書を読んでおくと,よいイメージトレーニングになるでしょう。経験者にとっては,まさに,回復期病棟で困ったときに助けとなる本だと思います。


だから回復期リハビリテーションはやめられない。そういう意味でのバイブルでもある。
書評者:吉村 芳弘(熊本リハビリテーション病院サルコペニア・低栄養研究センター長)

 回復期リハビリテーションがテーマの書籍はこれまで数多くありましたが,ここまで体系的かつ徹底的な現場目線で回復期リハビリテーションの教育および臨床に適した書籍はありません。どうしても断片的で執筆者目線になりやすい情報が,本書では包括的かつ現場目線でまとめられています。目次を眺めていたら,つい寝食を忘れて最後まで一気に読んでしまいました。時が経つのを忘れるほど読書に熱中したのは久しぶりです。

 病態や症例に関する基本的な情報整理に始まり,回復期リハビリテーションでよく遭遇する“困った!”をステージ,機能障害,呼吸循環,老年医学,チーム医療,家屋調査というさまざまな角度から展開しています。これらは,どれも回復期リハビリテーションに携わる医療および介護従事者にとって,欠かすことができないテーマです。さらに,わかりにくい言葉や新しい言葉は小見出しでしっかりと説明されており,この構成バランスが俊逸です。まさに,回復期リハビリテーションのバイブルとなり得る一冊です。

 本書の目次項目を一部要約して紹介すると,「少し歩いただけで血圧が180を超えた! どうする?」,「いつもリハビリを拒否される。どうしたらいい?」,「機能訓練はいつまで続けるの?」,「女性セラピストの歩行練習のコツは?」,「低栄養の患者に注意することは?」,「服薬状況から何がわかる?」,「カンファレンスでは何を話したらいい?」など,回復期リハビリテーションへの現場目線の鋭い情熱とスタッフへの愛情があふれた問いかけが満載です。

 ひたすら現場目線の,まるで同僚から発せられるような身近な疑問を丁寧に解説する書面づくりが素晴らしいです。何よりテーマの立て方が超一級です。私や同僚がしょっちゅうつまずいて苦労している回復期リハビリテーションの“困った!”を見事に言い当てており,この書籍はもしかして私(や同僚)に向けて書かれた本なのでは,と何度も膝を打ってしまいます。

 私はこの本を読んでいる間,ずっと「早く病棟(リハ室)に行きたいな」,「明日の回診が楽しみだなぁ」,「あの患者の歩行状態はどうなったかな」などと考えてばかりいました。何しろ回復期リハビリテーションが対象で,書籍の中にあらゆる現場の様子がリアルに登場しますので,生唾が出てくるくらい“回復期リハビリテーション”をやりたくなってきます。

 だから回復期リハビリテーションはやめられない。この書籍はそういう意味でのバイブルでもあります。


身近な先輩として,具体的なお手本として,「困った!」に答えてくれる一冊
書評者:遠藤 正英(桜十字グループ福岡事業本部リハビリテーション統括)

 2000年に回復期リハビリテーション病棟が制度化されてから22年が経過しました。私が養成校を卒業して理学療法士になってから,20年が経とうとしています。私が最初に就職したのは回復期リハビリテーション病棟を中心とした病院で,現在も同様に回復期リハビリテーションを中心とした病院に所属しています。

 私が理学療法士として働いてきた20年間で,リハビリテーションは大きく様変わりしました。思い返すと,私が入職した当時のリハビリテーションは「科学」「根拠」などという言葉で説明できるものではなく,先輩方の経験や勘のように言語化できないものが多かったように感じます。そのため,客観的でわかりやすい指導というより,先輩の背中を見て学ぶ,いわゆる職人を育てるような時代でした。若手だった私は,先輩方の行っている臨床の背景にある一つひとつの理由を深く理解できておらず,多くの悩みを抱え,臨床の楽しささえ感じることができなくなっていたのを覚えています。

 本書は臨床にある代表的な「困った!」を,まるで先輩と一緒に話しながら7つのステップを踏んでどう考えていくかを学ばせてくれる,まさに職人技の部分を言語化してくれる一冊となっています。回復期リハビリテーション病棟には多くの新人セラピストが就職してきます。新人セラピストの中には,私が感じたような悩みを感じている人もいるでしょう。そのような方々にぜひ本書を読んでいただき,臨床の楽しさをわかっていただければと思います。

 毎年多くの新人セラピストが誕生するということは,すぐに先輩という立場になるわけで,後輩を指導する場面に直面します。指導する立場になったとき,後輩に何を,どう教えますか? 後輩は指導者の教え方によって将来が左右されます。私も今まで多くの新人セラピストを指導してきました。教育について学んだことのないわれわれにとって,後輩を指導するのは模索の日々です。本書は,後輩を指導する立場にあるセラピストにとって,何を,どのように教えるかを理解させてくれる一冊になっています。

 本書のタイトルには「回復期リハビリテーションで」とはありますが,回復期リハビリテーションだけでなく,臨床にかかわる全てのセラピストにとって役に立つと思います。本書は,若手が臨床で「困った!」ときには身近な理想の先輩のような助けとなり,先輩となったセラピストが指導で「困った!」ときにはお手本を具体的に示してくれる一冊です。

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