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『内視鏡所見のよみ方と鑑別診断——上部消化管 第3版』より

連載 池原久朝/後藤田卓志

2024.05.10

 消化管の内視鏡診断は,通常の白色光観察(WLI)における画質の向上や,画像強調観察(IEE)が実地診療に普及するなどその進歩は目覚ましい。『内視鏡所見のよみ方と鑑別診断——上部消化管 第3版』では,内視鏡診断学の進歩に伴い第2版から,95%の症例を新規のものに差し替え,WLI,IEEの画像を豊富に提示しています。

「医学界新聞プラス」では,本書の内容を一部抜粋し全4回にわたって紹介をします。ぜひ内視鏡像を見て診断にチャレンジしてみてください。

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胃角部大彎にひだ集中を伴う陥凹性病変を認める.陥凹部はやや発赤を呈しており全体に厚みが目立つ. 陥凹内部は凹凸不整でひだの先細りと癒合を認める.
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0-Ⅱc型胃癌
Type 0-Ⅱc gastric cancer

0-Ⅱc型胃癌は10mmを超えると病変内に潰瘍(活動性・瘢痕を含む)を合併する.このため陥凹型早期胃癌は病変内に向かうひだ集中を伴うことが多い.陥凹辺縁のひだの癒合,棍棒状肥厚は粘膜下層への浸潤を示唆する所見である.陥凹の中心では結節状隆起や硬さなどの所見も粘膜下浸潤所見として知られている.

|治療|外科的切除


 

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幽門前庭部小彎に辺縁整の潰瘍を認める. その肛門側に半周性に辺縁不整な浅い陥凹を伴う. この時点で0-Ⅱc+Ⅲ型早期胃癌と診断できる. 酸分泌抑制薬を2週間投与した再検査にて潰瘍は治癒し,蚕食像と途絶を伴うひだ集中を認める.中心部は不整な発赤で0-Ⅱc UL+である.
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0-Ⅱc+Ⅲ型胃癌
Type 0-Ⅱc+Ⅲ gastric cancer

酸分泌抑制薬の普及で0-Ⅱc+Ⅲ型早期胃癌に遭遇することは少なくなった.潰瘍を認めた場合は辺縁にⅡcの張り出しがないかを確認することが重要.同時に潰瘍の辺縁が整であれば,酸分泌抑制薬で治癒するかどうかの確認も治療方針決定には重要である.本例はtub1のpT1a病変であった.

|治療|内視鏡的切除

 

所見から診断への道筋を示す内視鏡医必読の1冊がついに改訂!

<内容紹介>今回の改訂では、章構成をあらため、本書の核心である第1章「所見からみたアプローチ」に多くのページを割いた。また、この間の内視鏡診断学の進歩に伴い、95%の症例を新規のものに差し替えた。収載症例数は大幅増の442症例となった。白色光観察(WLI)に加え、画像強調観察(IEE)の画像を豊富に提示している。「内視鏡像から診断に至る道筋を示す」という初版以来のコンセプトはそのままに内容充実の改訂第3版!

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