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内視鏡所見のよみ方と鑑別診断-上部消化管 第3版

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今回の改訂では、章構成をあらため、本書の核心である第1章「所見からみたアプローチ」に多くのページを割いた。また、この間の内視鏡診断学の進歩に伴い、95%の症例を新規のものに差し替えた。収載症例数は大幅増の442症例となった。白色光観察(WLI)に加え、画像強調観察(IEE)の画像を豊富に提示している。「内視鏡像から診断に至る道筋を示す」という初版以来のコンセプトはそのままに内容充実の改訂第3版!

編集 小原 勝敏 / 春間 賢 / 貝瀬 満 / 後藤田 卓志
発行 2024年03月判型:B5頁:456
ISBN 978-4-260-04684-8
定価 13,200円 (本体12,000円+税)

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    2024.06.17

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第3版 序

 消化管の画像診断の進歩は目覚ましい.通常の白色光観察(White Light Imaging;WLI)における画質の向上,さらに,Narrow Band Imaging(NBI),Blue Laser Imaging(BLI),Linked Color Imaging(LCI)などの画像強調観察(Image-Enhanced Endoscopy;IEE)が実地診療に普及し,消化管の診断学は著しく向上した.
 消化管の内視鏡診断は画像の比較であり,疾患の典型画像を知らなければ診断は難しい.一方で,高画質の内視鏡写真が掲載されたテキストが多く出版され,簡単に画像の比較ができるため,表現力,すなわち言葉が失われつつあるのも現状である.画像に対する表現力を学ばなければ,正確な診断はできず,よりよい内視鏡写真も撮影できない.ものの形を理解し,言語化する──これが内視鏡診断学の基本である.このような考え方のもと,2001年に『内視鏡所見のよみ方と鑑別診断──上部消化管』を刊行した.その後,2007年には第2版を刊行した.
 第2版の刊行から17年が経った.初版,第2版はWLIとインジゴカルミンやヨードを用いた色素撒布画像が主体となっていた.第2版刊行時,NBIは発売直後で(2006年6月発売),まだ実地診療では普及していなかったためNBI画像は掲載しなかった.この17年の間に,IEEは広く実地診療に用いられるようになり,診断には欠かせない手技となった.また,WLIの画質も著しく向上したため,第3版では極めて稀で新たな内視鏡画像を入手できなかったものを除き,掲載画像を一新した.各疾患の内視鏡画像を比較できるように,できるだけWLIとIEEを並べて掲載した.この17年の間に新たな上部消化管病変が次々と報告されるようになったため,収載症例数は305症例から440症例と135例増加している.章構成については,「所見からみた診断へのアプローチ」を充実させるため,第2章の「内視鏡検査のための基本事項」,第3章「内視鏡の挿入法と観察法」,第5章「生検組織診断の基本的知識と考え方」を割愛した.また,「所見からみた診断へのアプローチ」を再編し,「食道胃接合部」,「乳頭部」,「術後上部消化管にみられる病変」,「上部消化管異物」を新たに設けた.
 第3版への改訂にあたり,初版,第2版と本書作成の中心であった「50の会」のメンバーが,私と小原勝敏氏にその作業を託した.新たに編集者として,貝瀬満氏と後藤田卓志氏に加わっていただき,期待通りのテキストになったと確信している.本書の発行にあたり,複雑な編集作業を粘り強く行ってくれた医学書院の天野貴洋氏に心から感謝申し上げる.

 2024年2月
 編者を代表して 春間 賢

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目次

第1章 所見からみた診断へのアプローチ
 咽頭・喉頭
  咽頭・喉頭の解剖と内視鏡像
  1 咽頭・喉頭部にみられる病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例1~10
 食道
  食道の解剖と内視鏡像
  1 隆起を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例11~40
  2 平坦な病変
   (1)色調の変化があるもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例41~45
   (2)びらんを呈するもの-
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例46~56
  3 陥凹を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例57~72
  4 特異な形態を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例73~83
  5 狭窄をきたした病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例84~97
  6 早期食道癌の肉眼型と深達度
     所見からみた深達度診断へのアプローチ
   (1)T1a-EP 症例98~100
   (2)T1a-LPM 症例101~102
   (3)T1a-MM 症例103~105
   (4)T1b-SM1 症例106~108
   (5)T1b-SM2 症例109~112
 食道胃接合部
  1 食道胃接合部にみられる病変
     食道胃接合部の観察と所見からみた診断へのアプローチ
   (1)隆起を呈するもの 症例113~118
   (2)陥凹を呈するもの 症例119~124
   (3)びらんを呈するもの 症例125~126
   (4)色調の変化があるもの 症例127~128
   (5)形態変化を呈するもの 症例129~130
   (6)狭窄を呈するもの 症例131~132
 胃
  胃の解剖と内視鏡像
  1 隆起を呈する病変
   (1)正常粘膜に覆われているもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例133~147
   (2)中心陥凹を伴うもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例148~161
   (3)凹凸不整なもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例162~175
  2 平坦な病変
     所見からみた診断へのアプローチ
   (1)発赤を呈するもの 症例176~192
   (2)褪色を呈するもの 症例193~201
  3 陥凹を呈する病変
   (1)浅い陥凹を呈するもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例202~217
   (2)深い陥凹を呈するもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例218~227
   (3)ひだ集中を主体とするもの
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例228~247
  4 びまん性病変
     所見からみた診断へのアプローチ
   (1)多発性隆起を呈するもの 症例248~259
   (2)多発性隆起を呈するもの──ポリポーシス 症例260~269
  5 胃のふくらみが悪い病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例270~277
  6 巨大ひだを呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例278~291
  7 幽門狭窄をきたした病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例292~300
  8 経時的な形態変化がみられた病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例301~316
  9 特異な形態を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例317~323
  10 早期胃癌の肉眼型と深達度
     所見からみた深達度診断へのアプローチ
   (1)陥凹型:ひだ集中(+);分化型 症例324~327; 未分化型 症例328~331
   (2)陥凹型:ひだ集中(-);分化型 症例332~336; 未分化型 症例337~340
   (3)陥凹型:MP以深 症例341~344
   (4)隆起型:0-I型 症例345~348
   (5)隆起型:0-IIa型,0-IIa+IIc型 症例349~352
 十二指腸
  十二指腸の解剖と内視鏡像
  1 隆起を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例353~372
  2 陥凹を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例373~384
  3 びまん性変化を呈する病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例385~394
  4 平坦で色調変化がある病変 症例395~396
 乳頭部
  1 乳頭部にみられる病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例397~399
 術後上部消化管にみられる病変
  1 術後上部消化管にみられる病変
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例400~409
 出血性病変
  1 緊急内視鏡検査にあたって
     所見からみた診断へのアプローチ
     症例410~433
 上部消化管異物
  1 上部消化管異物
     異物の誤飲が疑われた場合の処置
     症例434~440

第2章 内視鏡診断に必要な分類401

症例提供者
索引

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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