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★1の向こう側

連載 寺田哲

2026.06.15

連載第1回第2回で触れてきたように,★1として評価された口コミの中身は決して同じではない。

診療への期待と現実がずれたことによって生まれるもの(期待ズレ型)もあれば,治療結果そのものへの失望が中心になっているもの(結果失望型)もある。中には,体験の記述より印象の毀損が前面に出るもの(攻撃・操作型)や,専門性への理解の違いから不信が生まれるもの(専門性誤認型)もある。

今回はまず,日常で遭遇しやすい期待ズレ型と結果失望型について考えたい。

期待ズレ型――「思っていた診療と違った」

期待ズレ型とは,患者が受診前に思い描いていた診療と,実際の体験が一致しなかった時に生まれる低評価である。この型を理解するためにまず押さえておくべきは,必ずしも「治ること」だけを期待して患者が受診しているわけではないことだ。患者側の期待には次のような事柄が挙げられる。

●検査をしてもらえるはず
●専門家ならもっと明快に説明してくれるはず
●ここなら最後まで何とかしてくれるはず
●評判の良い医療機関なのだから安心できるはず


こうした前提が,診療の入口にはすでに存在している。

たとえば,十分な検査をしないまま自費診療を提案されたと感じて,「怪しい」と受け取った口コミがある。医療者側としては,必要最小限の検査のうえで治療選択肢を提示しただけかもしれない。しかし患者側に「検査をすること=誠実」「自費診療の提示=慎重であるべき」という前提があれば,その瞬間に不信感が生まれる。

他のケースでも考えてみよう。病院が掲げる「痛み・しびれを諦めない」という理念に希望を見いだして受診した患者がいたとする。進めていた治療の効果が芳しくなく,途中で治療方針の修正提案をされたら,「見放された」と感じるかもしれない。医療者にとって再評価に...

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みしま痛み&リハビリクリニック 院長/医療社団法人PARC 理事長

2008年獨協医大卒。同大越谷病院(現・同大埼玉医療センター)で初期研修,麻酔科後期研修を修了。NTT東日本関東病院を経て,17年静岡リウマチ整形リハビリ病院麻酔科ペインクリニック科長。19年JCHO三島総合病院麻酔科(ペインクリニック)科長に就任する。臨床と並行して20年には株式会社OCD(22年より株式会社mediverse OCD)設立。23年にみしま痛み&リハビリクリニックを開設し現職。ペインクリニック領域を中心に臨床を行い,患者と向き合う日常の中で評価や満足度が医療者の思考に与える影響について継続的に考察している。