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[第2回]書かれる声と,書かれない声――★1の声はどこから来るのか
★1の向こう側
連載 寺田哲
2026.06.01
口コミを読むとき,私たち医療者はつい,患者全体からの評価のように感じてしまう。だが実際には,口コミを書く人はごく一部でしかない。
多くの患者は診療を受けても何も書かない。満足も不満も言葉にせず,そのまま日常に戻っていく。「少し良かった」「まだ何とも言えない」「普通だった」という中間的な体験は,ほとんど書かれないのだ。一方で,強く満足した人は「ありがとう」と,強く失望した人は「ひどかった」と書きたくなる。そうした背景を踏まえると,口コミ欄に並ぶ言葉が偏りがちになるのは自明と言えよう。
口コミとは,提供された医療の平均像ではなく,感情が強く動いた一部の体験が表に出たものだととらえたほうがよい。
実際,医療機関の口コミを見ても,★5と★1の評価が目立ち,★3前後の評価は少ないことが多い。これは,評価が極端だからというより,極端な感情だけが書かれやすいからと言えるだろう。たとえば強い肯定的な口コミには次のようなものがある。
★★★★★
膝関節の猛烈な痛みが4か月以上続いていたが,他の整形外科で見つからなかった膿疱を発見してもらい,吸引してもらったら嘘のように痛みが消えた。主治医の先生は神様的存在です。本当にありがとうございました。
これは非常にわかりやすい★5の典型例だ。
痛みが強かった,長く苦しんでいた,他院で解決しなかった,原因が見つかり症状が劇的に軽くなった――
こうした体験があれば,感謝の言葉が強くなるのは自然である。もちろん「神様的存在」という表現には誇張もあるだろう。だがそこには,患者にとっての救済感がそのまま表れている。
一方で,★5が付けられた別のコメントはもっと分析的である。
★★★★★
首のヘルニアで通院している。口コミにネガティブな意見もあり受診するか迷ったが,通ってみると,医療は即効性や気持ちよさだけで評価してはいけないと感じた。医学的エ
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寺田 哲(てらだ・さとし)氏 みしま痛み&リハビリクリニック 院長/医療社団法人PARC 理事長
2008年獨協医大卒。同大越谷病院(現・同大埼玉医療センター)で初期研修,麻酔科後期研修を修了。NTT東日本関東病院を経て,17年静岡リウマチ整形リハビリ病院麻酔科ペインクリニック科長。19年JCHO三島総合病院麻酔科(ペインクリニック)科長に就任する。臨床と並行して20年には株式会社OCD(22年より株式会社mediverse OCD)設立。23年にみしま痛み&リハビリクリニックを開設し現職。ペインクリニック領域を中心に臨床を行い,患者と向き合う日常の中で評価や満足度が医療者の思考に与える影響について継続的に考察している。
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