「急に背中が痛くなって……」(前野哲博,小曽根早知子)
連載
2012.11.05
外来診療
次の一手
【第8回】「急に背中が痛くなって……」
前野哲博(筑波大学附属病院 総合診療科教授)=監修
小曽根早知子(筑波大学附属病院 総合診療科)=執筆
(2997号よりつづく)
本連載では,「情報を集めながら考える」外来特有の思考ロジックを体験してもらうため,病歴のオープニングに当たる短い情報のみを提示します。限られた情報からどこまで診断に迫れるか,そして最も効率的な「次の一手」は何か,ぜひ皆さんも考えてみてください。
【症例】Kさん 68歳男性高血圧で通院中。つらそうな表情で入室してきた。 Kさん「ゴルフの練習中に急に背中が痛くなって,ずっと痛いんだよ」 Dr. M「どのあたりですか?」 Kさん「うーん,背中全体かなあ」 バイタルサイン:体温37.0℃,血圧180/98 mmHg,脈拍102回/分(整)。 ⇒次の一手は? |
■読み取る
この病歴から言えることは?
高齢男性の背部痛の症例である。急性発症であり,何らかの器質的変化を伴うものであろう。ゴルフの練習中に発症していることから筋骨格系の病変を第一に考えるが,もし体動で変化しない痛みが持続しているのであれば,筋骨格系以外の原因も考える必要がありそうだ。バイタルサインでは血圧高値,頻脈があるが,もともと高血圧があり,痛み刺激による上昇か,あるいは原因疾患による上昇かもしれない。つらそうではあるが独歩で入室して...
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