「当たり」と「はずれ」
連載
2007.12.17
| 看護のアジェンダ | |
| 看護・医療界の“いま”を見つめ直し,読み解き, 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。 | |
| |
井部俊子 聖路加看護大学学長 |
(前回よりつづく)
秋は日暮れが早い。久しぶりに空いた時間ができたので,職場の近くのスポーツクラブでアクアビクスをした帰り道,暗闇からぬっと現われて,「こんばんは」と声をかけてきたのは,今年4月に卒業して病院に就職した「新人看護師」のカテゴリーに入るFさんであった。
時計は午後10時にならんとしているのに,「日勤」の帰りだという。もと看護管理者であった私の口をついて出たのが「こんな時間まで何をしていたの」であった。彼女は率直に,受け持ち患者のベッドバス(全身清拭)をしていたと言った。そして自嘲気味にこうつけ足した。「患者さんのためというより,先輩に怒られないように(ベッドバスを)している自分がなさけない」と。さらに「来年はどうしたらいいのか迷っている」とも言った。私は「今が大切,今を乗りこえることができれば来年は大丈夫よ」と言ったが,胸が痛んだ。
先輩は新人によって評価されている
『看護師のキャリア論』(勝原裕美子著,ライフサポート社,2007年)に〔プリセプターに戸惑うあるプリセプティの話〕が語られる。少し長いが,新人看護師を代表しているような“話”なので,引用させていただく。
「“当たり”と“はずれ”。就職して3か月。最近,私たち新人看護師の間では,プリセプターのことをそう表現して互いに慰め合っている。就職前の病院説明会では,教育担当の副看護部長が“うちでは,プリセプターシップに...
この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。
いま話題の記事
-
寄稿 2026.03.10
-
サルコペニアの予防・早期介入をめざして
AWGS2025が示す新基準と現場での実践アプローチ寄稿 2026.03.10
-
医療者の質をいかに可視化するか
コンピテンシー基盤型教育の導入に向けて対談・座談会 2026.03.10
-
対談・座談会 2026.03.10
-
医学界新聞プラス
[第10回]外科の基本術式を押さえよう――腹腔鏡下胆嚢摘出術(ラパコレ)編
外科研修のトリセツ連載 2025.03.24
最新の記事
-
対談・座談会 2026.03.10
-
医療者の質をいかに可視化するか
コンピテンシー基盤型教育の導入に向けて対談・座談会 2026.03.10
-
対談・座談会 2026.03.10
-
医療を楽しく知る・学ぶ社会をめざして
おもちゃAED「トイこころ」開発への思い
坂野 恭介氏に聞くインタビュー 2026.03.10
-
寄稿 2026.03.10
開く
医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。