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[第9回]読む前に,仕分ける――そこに患者は本当にいたのか
★1の向こう側
連載 寺田哲
2026.09.07
ここまで私は,★1の口コミにも,★5の口コミにも構造があることを述べてきた。低評価には期待ズレ型,結果失望型,攻撃・操作型,専門性誤認型があり(連載第3回,第4回),高評価にも救済型,擁護・代弁型,自己物語化型が存在する(連載第5回)。また,★3という「沈黙」(連載第6回)が示すように,Googleレビューには患者全体の声が反映されているわけではないことも説明してきた。
そして前回は,診療への率直な評価と,医療者や医療機関を傷つけることを目的とした攻撃は,明確に区別して考えるべきであることを述べた。これらを通して,私が最も伝えたいことがある。
「口コミは,読む前に仕分けるべき」
医療者の多くは,Googleレビューを開くと,まず星の数を確認する。★1なのか,★5なのか。そして,そのまま本文を読み進めてしまう。しかし私は,この順番こそが口コミに振り回される原因ではないかと思っている。そこで今回は,口コミの仕分け方について論じていきたい。
患者体験があるのかを第一に検討すべき
口コミの内容を読み進めていく前に,まず確認すべきことがある。
「この文章には,本当に患者体験が書かれているのか」
例えば,「受付で30分待ちました」「検査結果について詳しく説明していただけました」「ブロック注射は痛かったですが,その後は楽になりました」。このような口コミは院内の風景が思い浮かぶ。患者さんが受付を済ませ,診察を受け,説明を聞き,治療を受け,帰宅するまでの診療の流れが見えてくる。
他方,「最低の医者」「金儲けしか考えていない」「絶対に行かないほうがいい」という口コミも存在する。診療内容についてほとんど触れておらず,院内の様子を端的に表現しているわけでもない。
短い文...
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寺田 哲(てらだ・さとし)氏 みしま痛み&リハビリクリニック 院長/医療社団法人PARC 理事長
2008年獨協医大卒。同大越谷病院(現・同大埼玉医療センター)で初期研修,麻酔科後期研修を修了。NTT東日本関東病院を経て,17年静岡リウマチ整形リハビリ病院麻酔科ペインクリニック科長。19年JCHO三島総合病院麻酔科(ペインクリニック)科長に就任する。臨床と並行して20年には株式会社OCD(22年より株式会社mediverse OCD)設立。23年にみしま痛み&リハビリクリニックを開設し現職。ペインクリニック領域を中心に臨床を行い,患者と向き合う日常の中で評価や満足度が医療者の思考に与える影響について継続的に考察している。
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