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★1の向こう側

連載 寺田哲

2026.07.27

これまで私は,★1と★5の評価のとらえ方について考えてきた。お伝えしたように★1にも★5にも構造があるのだ。では,その間にある★2や★3,★4はどうなのだろうか。今回は★3に関する解釈の方法を紹介しつつ,ここまでの連載で述べてきた星による評価との向き合い方をまとめたい。

99%以上の患者さんは何も書いていない

実は,私が最も興味を持っているのは★3という評価である。正確に言えば「★3の口コミを書き込まなかった患者さんの存在」だ。開業して約3年,当院には延べ約5000人の患者さんが来院された。その間にGoogleレビューを書いてくださった方は47人。割合にすると1%にも満たない。つまり99%以上の患者さんは,何も書いていないのである。この数字を算出したとき,私は口コミというものの見方が少し変わった。Googleレビューには患者さんの声が書かれている。しかし,それは患者全体の声ではない。声を上げた一部の患者さんの記録なのである。

診療を終えた患者さんの多くは,「ありがとうございました」と言って帰られる。リハビリテーションを続けながら改善していく方もいれば,「また何かあれば来ます」と笑顔で帰られる方もいる。そのような患者さんが口コミを書くことは決して多くない。多くの患者さんにとって医療とは,「口コミを書く特別な出来事」ではなく,「日常生活へ戻るための通過点」だからではないだろうか。痛みが軽くなれば仕事へ戻る。趣味を再開する。旅行へ行く。家族との時間を楽しむ。生活が元に戻れば医療は日常へ溶け込み,特別な出来事ではなくなる。私は,そのような患者さんが少なくないように感じている。

私は,このような★3の口コミを書き込まなかった患者さんの存在を,「★3という沈黙」と呼んでいる。評価を書いた患者さんよりも,何も書かずに通院を終えた患者さんのほうが,はるかに多いことに気づくべきだろう。そ...

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みしま痛み&リハビリクリニック 院長/医療社団法人PARC 理事長

2008年獨協医大卒。同大越谷病院(現・同大埼玉医療センター)で初期研修,麻酔科後期研修を修了。NTT東日本関東病院を経て,17年静岡リウマチ整形リハビリ病院麻酔科ペインクリニック科長。19年JCHO三島総合病院麻酔科(ペインクリニック)科長に就任する。臨床と並行して20年には株式会社OCD(22年より株式会社mediverse OCD)設立。23年にみしま痛み&リハビリクリニックを開設し現職。ペインクリニック領域を中心に臨床を行い,患者と向き合う日常の中で評価や満足度が医療者の思考に与える影響について継続的に考察している。

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