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医学界新聞プラス
[第5回]★5に込められた,もう一つの評価――感謝だけでは説明できないもの
★1の向こう側
連載 寺田哲
2026.07.13
ここまで私は,★1の口コミとの向き合い方について考えてきた。期待ズレ型,結果失望型,攻撃・操作型,専門性誤認型。低評価にも構造があり,一括りにしてはならないことは多くの読者に伝わっただろう。
では,★1とは真逆に位置する★5という高評価は,どのようにとらえればよいのか。高評価は,低評価よりも「真実」に近いのだろうか。実は★5という評価もまた絶対視してはならない。本連載で何度も伝えてきたように,口コミとは医療の真実そのものではなく,「患者体験を圧縮した断片」だからである。
▼ 目次
●救済型――「やっと痛みから解放された」という安堵
●擁護・代弁型―――「この医療は誤解されてほしくない」
●自己物語化型――「自分が変わった」
★5にも存在する評価の型――救済型,擁護・代弁型,自己物語化型
★1と同様に,★5にも型があると私は考えている。それは,救済型,擁護・代弁型,そして自己物語化型である。詳しく説明をしていきたい。
●救済型――「やっと痛みから解放された」という安堵
「4か月以上も悩まされていた膝の痛みで受診しました。他のクリニックではわからなかったのに,原因が判明して痛みが消えました。先生は神さまです」
他院では原因不明だった数か月にわたって続く膝関節痛の原因が判明し,痛みが消失したことで「先生は神さまです」と表現した口コミの例である。この口コミで評価されているのは,原因を突き止め改善させた医療技術だけではない。「やっと痛みから解放された」「救われた」という安堵そのものが口コミとして反映されているのである。
しかし同時に,「神さま」という表現には少し距離を置く必要もあるだろう。医療者は神さまではない。良い偶然が重なることもあれば,限界もある。だからこそ,驕ることなく日々の診療に従事していくことが大切なのだと思う。
●擁護・代弁型―――「この医療は誤解されてほしくない」
「私は首のヘルニアで現在通院しています。低評価の口コミも散見されたので受診するか少し迷いましたが,実際に通院してみると,先生方は医学的根拠に基づいて丁寧に説明してくださいました。医療はサービス業である前に,科学と責任の世界だと思います。私はこれからも通院を続けます。同じように悩んでいる方の参考になれば幸いです」
医療の価値や誠実さを患者さんが代弁するタイプである。これは単なる感謝ではない。患者自身が「この病院で提供されている医療は誤解されてほしくない」と感じ,自ら医療者の立場を代弁しているのである。非常にありがたいことだが,ここにも少し冷静さは必要である。なぜなら,この文章もまた,一人の患者体験だからである。
私たち医療者は,このような高評価を絶対的な正解と...
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寺田 哲(てらだ・さとし)氏 みしま痛み&リハビリクリニック 院長/医療社団法人PARC 理事長
2008年獨協医大卒。同大越谷病院(現・同大埼玉医療センター)で初期研修,麻酔科後期研修を修了。NTT東日本関東病院を経て,17年静岡リウマチ整形リハビリ病院麻酔科ペインクリニック科長。19年JCHO三島総合病院麻酔科(ペインクリニック)科長に就任する。臨床と並行して20年には株式会社OCD(22年より株式会社mediverse OCD)設立。23年にみしま痛み&リハビリクリニックを開設し現職。ペインクリニック領域を中心に臨床を行い,患者と向き合う日常の中で評価や満足度が医療者の思考に与える影響について継続的に考察している。
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