看護のアジェンダ
[第239回] ある日,看護師長になる。
連載 井部俊子
2024.11.12 医学界新聞(通常号):第3567号より
あるストーリー――病棟師長になって感じた“孤独”
私(看護師長E)はこの(2024年)4月に病棟師長になりました。40床の内科病棟です。看護師となって30年ですが,10年間は育児休暇を取ったりしたので外来で勤務し,夜勤はありませんでした。現在,3人の子どもは小学6年生,中学3年生,高校3年生で受験を控えています。2年前に副師長となりました。
昨年(2023年),認定看護管理者ファーストレベルプログラムを受講“させてもらいました”。12月頃に,看護部長から病棟師長にならないかと言われ,家庭のこともあり,やれるかどうか悩みました。他に副師長が2人いるのですが,彼女たちが頑張ってやっていこうと言ってくれたので,師長を引き受けることにしました。この病棟は人間関係が良く,何でも話し合えるし,医師も細かな配慮をしてくれます。
師長になって3か月くらいは目の前のことで精一杯でした。半年くらいたって,スタッフとの距離感に気付いたのです。今まではスタッフとの関係性は良く,何でも耳に入っていたし,スタッフの習熟度もよくみえていました。師長になってからはスタッフとベッドサイドで仕事をする機会が減ったので,スタッフのケアがみれなくなってしまいました。やっている仕事が変わってしまったと気づいたのです。自分が孤独になっていると感じました。
9月末に管理当直がありました。副看護部長Yさんと一緒でした。仕事の話が一段落したあと,Yさんとおしゃべりしました。Yさんは話しやすい人でした。しかも当直師長室はこぢんまりとした部屋で,電話も鳴らず人の出入りもないので,素直な自分に戻ることができました。Yさんに「聞いてもらっていいですか」と言い出し,自分が孤独になっていることを話しているうちに,わあっと泣いてしまいました。すると,Yさんは「そうだよね,わかるよ」「最初はそうなんだよ」と言ってくれました。それがうれしかったのです。
4月に入った新人ナースが,体調を崩して病気休暇になったのです。何度も面談して仕事が続けられるように話し合ったのですが身体症状が出たので休むことになりました。管理者として力が入ることで感情移入したのかもしれません。欠員によって現場が忙しくなることに責任を感じていました。自分の管理能力の未熟さが原因ではないかと考え,そのことで疲れてしまいまし...
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