めざせ「ソーシャルナース」!社会的入院を看護する
[第18回] 電話でのコミュニケーション
連載 石上雄一郎
2024.10.08 医学界新聞(通常号):第3566号より
CASE
尿路感染症の治療目的で入院となった85歳女性。入院時はADL全介助の状態であったものの,簡単なコミュニケーションはできる状態であった。入院して4日目の夜,看護師が見回りをしている時に,患者の呼吸が止まっていることを発見した。急変の可能性があることは予め主治医から伝えられており,心停止時DNARの指示が出されていた。看護師から家族に亡くなっている状況を電話することになった。
電話と対面は何が違うのか?
対面での会話が好ましいが,状況的に電話で悪い話をせざるを得ない場面はある。患者が亡くなりそう,事故で運ばれた患者が心肺停止である,見回りに行ったらすでに亡くなっていたケースなどは初動が大事である。電話で医学的な質問を多く受けることが予想されるため,基本的には医師から電話したほうが良いだろう。しかし,医師がすぐ話せない状況では看護師が行うこともあり得る。
メラビアンの法則では人とのコミュニケーションの際に,視覚情報が55%,聴覚情報が38%,言語情報が7%で相手に影響を与えるとされている1)。電話では視覚情報がないため,対面で話すことに比べて配慮が必要である。特に医療者は電話において一方的に話を伝えることが多いため配慮する必要がある。今回は患者家族に電話をする際のポイントを共有する(図)。
1)電話口の状況を把握する
電話の相手は仕事中の人もいれば,運転中の人もいる。まずは聞けるコンディションであるかを聞く必要がある。また病院からの電話は多くの家族にとっては怖いものである。病院にすぐ来なくて良いケースではまずは安心してもらおう。
相手の状況によっては病院に来て話す時間はないと言われることもあるだろう。そうした時は,交渉で落とし所を探そう。すぐに来院できない理由は,急に言われても仕事を休めないなどさまざまである。病院で看護師がよく困る問題への対策として,筆者が行っていることを表1に挙げる。
最も多いのは,家族の状態より仕事を優先するケースだ。「そこまで状態が悪いとは思わなかった」という家族の言葉である。その場合には電話で悪いニュースを伝えることで,「そんなに悪いなら病院へ行きます」と仕事より家族の状態を優先することがよくある。またキーパーソンの中には,愛着がなく仕方なく電話連絡だけ行うようにしている人もいる。その場合もやはり仕事のほうが家族の状態より優先されている。何度も病院へ来れない場合は電話で病状説明しても良いだろう。
2)声のトーンや間から相手の感情を推
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