医学界新聞

2014.03.31

金原一郎記念医学医療振興財団

第28回研究交流助成金・第28回留学生受入助成金贈呈式開催


 金原一郎記念医学医療振興財団(理事長=東大名誉教授・野々村禎昭氏)が,3月6日に医学書院本社(東京都文京区)にて,第55回認定証贈呈式を開催した。

 同財団は,基礎医学の振興を目的に,年2回,助成金を交付している。下期である今回は,海外で行われる基礎医学医療に関する学会等への出席を助成する研究交流助成金と,基礎医学医療研究を目的に日本へ留学する大学院生等を助成する留学生受入助成金が交付された。今回の助成対象者は23人で,贈呈式には大木理恵子氏(国立がん研究センター)ほか7人が対象者を代表して出席した。

 開会に際し,金原優同財団常務執行理事(医学書院代表取締役社長)が,医学書院の創業者・金原一郎の遺志を継いで設立された本財団の概要を紹介。「通信手段が発達したとはいえ,実際に海外の学会に出席して各分野の先生方と直接意見交換することは重要」と述べ,「本日の受賞をきっかけに,さらに実りある結果になるよう研究を続けてほしい」と語った。

 認定証贈呈の後,選考委員長を務める野々村氏が,選考過程について説明。出席した対象者に向け,「海外の学会等へ出席された方はそこで得た知見を日本で役立て,留学生の方は,日本で挙げた成果を自国に持ち帰ってさらに研究を深めてほしい」と激励した。

 続いて交付対象者を代表して大木氏が挨拶に立った。氏は,ヒトのがんで最も高頻度に変異が入り,がん抑制の中心を担っているがん抑制遺伝子p53について研究を進めており,6月にストックホルムで開催される第16回p53国際ワークショップに出席を予定しているという。「p53の機能解析を通じ,治療法や診断法が不十分ながん疾患の本態の解明をめざしている。良い成果を挙げられるよう日々努力を続けたい」と意気込みを語った。


●金原一郎記念医学医療振興財団

第28回研究交流助成金・第28回留学生受入助成金交付者一覧

No. 氏名 所属機関(略称) 助成対象
1 有海 康雄 熊大
エイズ研セ
有海プロジェクト研究室
第39回コールドスプリングハーバー
レトロウイルス国際会議
2 今井 健一 日大
歯学部
細菌学教室
第20回国際エイズ会議
3 内山 雅照 帝京大
心臓血管外科学
世界移植学会議
4 大江 知里 関西医大
臨床検査医学講座
病理診断科
第3回泌尿生殖器病理会議
5 大木 理恵子 国立がん研セ研
難治がん研究分野
第16回p53国際ワークショップ
6

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