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2024年『胃と腸』賞授賞式
取材記事
2026.01.22
2024年『胃と腸』賞の授賞式が2025年9月17日に開催された。本賞は『胃と腸』誌に掲載された論文から,年間で最も優れた論文に贈られるもの。授賞式は松山赤十字病院(愛媛県松山市)にて執り行われ,早期胃癌研究会の会場にライブ配信がなされた。
今回,対象論文147本の中から,池上幸治氏(松山赤十字病院)らによる「自己免疫性胃炎を背景とした胃癌の臨床病理学的特徴」[胃と腸.2024;59(1):47-61.]が受賞した。池上氏には賞状と盾が授与され,授賞式当日は『胃と腸』編集委員長の蔵原晃一氏(松山赤十字病院)から選考経過の説明とお祝いの言葉が述べられた。
◆重要性高まる自己免疫性胃炎 求められる症例の蓄積と自然史の評価
自己免疫性胃炎(autoimmune gastritis:AIG)は従来,日本ではまれな疾患とされてきたが,胃内視鏡検診を中心にAIGと診断される症例が近年増加している。またAIGは胃癌の発生母地であることが知られており,Helicobacter pylori感染の減少に伴って,胃癌の背景疾患としての重要性が相対的に高まってきている状況だ。
受賞となった池上氏らの論文は,2006年1月~2023年8月の期間に,松山赤十字病院胃腸センターでAIGと確定診断されたAIG194例について,胃癌合併例と非合併例の特徴を遡及的に比較したもの。胃癌合併は36例(18.6%)47病変が認められ,胃癌合併例のほうが高齢で,内視鏡所見では固着粘液陽性率が低く,生検標本のupdated Sydney systemによる評価で前庭部腸上皮化生スコアが高いことが明らかとなった。
また,AIG合併胃癌の臨床病理学的特徴として0-IIa型の早期癌であること,胃型形質の分化型腺癌が典型例であることが示唆された。さらにAIGには胃腺腫も26例(13.4%)認められ,AIG合併胃癌のうち4例4病変は胃腺腫として経過観察していた症例が悪性化したもので,腺腫にも注意を要すると同氏は訴えた。
池上氏は授賞式の壇上で,「本論文は,蔵原晃一先生のご指導,ならびに病理診断科の大城由美先生の多大なるご尽力を賜り執筆できた」と,指導を受けた両氏に感謝を述べた上で,「今後も一例一例丁寧な診療を心がけ,本研究会および『胃と腸』誌を通じて,消化管形態診断学の発展に貢献できればと考えています」と語り,あいさつに代えた。
*授賞式の模様は『胃と腸』誌(第60巻12号)にも掲載されています。
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