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[第1回]物としてのポスターデザイン
『医療者のポスターデザインーー美しく伝え、心に響く学会ポスターの教科書』より
連載 小林 啓
2026.05.22
医療者のポスターデザイン――美しく伝え、心に響く学会ポスターの教科書
好評書『医療者のスライドデザイン──プレゼンテーションを進化させる、デザインの教科書』、待望の<ポスター編>!!
時間をかけて準備したポスターが、思うように伝わらない──そんな学会・研究発表の悩みに応える一冊がついに登場です。誰に向けて、何を伝え、どのような価値をもたらしたいのか。本書ではデザインの基本から、伝わる情報設計、PowerPointを使った美しいレイアウト、そして心に響くプレゼンテーションのコツまで一連のテクニックをわかりやすく紹介します。
「医学界新聞プラス」では、本書からポスターのデザインや情報構成・配置の考え方などにまつわる4つの項目を抜粋し、公開をしていきます。
物としてのポスターデザイン
印刷して掲示するポスターは、物としての特徴も備えています。
紙選びから会場掲示までのポイントを確認しましょう。
紙の大きさを選ぶ
まずは紙の大きさについて考えましょう。実は、ある致命的なミスを多くのポスターがおかしています。それは「紙が縦に長すぎること」です。
つま先に届くほど長い紙に小さな文字が埋め尽くされたポスターを、誰が読むでしょうか? 座り込んでまで下の文字を読む人はおらず、だいたい少し視線を下に向けて読める範囲までしか読みたくありません。
本書でのおすすめは、A0 サイズ(横841 mm×縦1189 mm)です。A4 やB4 の用紙と同じ縦横比(1:√2̅)で、一般的な学会で使用される90 cm×180 cmのボードに十分な大きさで掲示することができます。もしくはボードの横幅90 cm いっぱいに作りたいのであれば、横900 mm×縦1270 mm がおすすめです。
このサイズの最大のメリットは、最後まで情報が視界に入ることです。また、この比率は見た目にも美しいとされています。さらに、A4 やA3 用紙に同じ比率で印刷できることも大きな利点です。試し刷りで仕上がりを確認しやすく、ハンドアウトとして観客に渡すこともできます。
一方でデメリットとして、情報のレイアウトが難しくなります。単純に縦長ポスターより面積が小さく、載せられる情報が限られるため、うまく情報を圧縮する技術が求められます。
ちなみに海外の学会では横長のサイズが求められることがあります。横48 inch×縦36 inch(1219mm×914 mm)のようにインチ単位での規格もあり注意が必要です。学会ごとに異なっていますのでしっかりと確認しましょう。
用紙を選ぶ
用紙の分類の性質として光沢紙、半光沢紙、マット紙、合成紙などから選ぶことができます。光沢があるほど発色がよくクールな印象を与えますが、蛍光灯の反射で若干読みづらくもなります。やや光沢を抑えた半光沢紙は人気があるようです。
少し価格は上がりますが、布ポスターという選択肢もあります。バリバリした折りジワがつかないため、きれいに掲示できるというメリットがあります。
印刷する
最近はほとんどの印刷会社がPowerPoint ファイルでの印刷に対応しています。注意点として、Windows やMac に標準搭載ではないフォントを使った場合、フォントが別のものに変換されるおそれがあります。標準搭載されていないフォントを使う場合は、PDF ファイルに変換して提出しましょう。
また、色の見え方や画像の解像度なども、画面で見たときと紙で見たときで印象が変わることがよくあります。A3 用紙などに試し刷りを行い、目視で確認をしましょう。
重要な注意として、学会の1 週間前には印刷を済ませましょう。印刷期間が短くなるほど料金は高くなり、イレギュラーな事態にも対応できなくなります。時間の余裕は常に必要です。
その他、印刷会社の規約や注意点をよく読んでから入稿するようにしましょう。
ポスターを運ぶ
できあがったポスターはなるべくシワにならないように持ち運びましょう。プラスチックのポスターケースに入れて運ぶことをおすすめします。印刷会社によっては学会会場に直接送って掲示までしてくれるサービスもあるようです。
ポスターを掲示する
学会会場ではプレゼンターごとに掲示用のボードが用意され、容器に入ったピンが支給されます。ポスターがたるまないようにピンでしっかり留めましょう。となりのボードにポスターがはみ出すことは厳禁です。
デジタルポスター
本書では多く触れませんが、モニターに映すデジタルポスター形式もときどき見かけます。たいていはPowerPoint と同じ16:9 の縦横比が一般的です。縦向きが求められることもありますので、学会の案内を確認し、フルサイズでの表示設定にしましょう。
ポスター発表の悩み解決! 思いが届き、心に響くデザインの実践書
好評書『医療者のスライドデザイン──プレゼンテーションを進化させる、デザインの教科書』、待望の<ポスター編>!!
時間をかけて準備したポスターが、思うように伝わらない──そんな学会・研究発表の悩みに応える一冊がついに登場です。誰に向けて、何を伝え、どのような価値をもたらしたいのか。本書ではデザインの基本から、伝わる情報設計、PowerPointを使った美しいレイアウト、そして心に響くプレゼンテーションのコツまで一連のテクニックをわかりやすく紹介します。
「医学界新聞プラス」では、本書からポスターのデザインや情報構成・配置の考え方などにまつわる4つの項目を抜粋し、公開をしていきます。
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