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第3001号 2012年11月5日


第18回白壁賞,第37回村上記念「胃と腸」賞授賞式


 第18回白壁賞と第37回村上記念「胃と腸」賞の授賞式が,2012年9月19日に笹川記念会館国際会議場(東京都港区)で開催された早期胃癌研究会の席上にて行われた。第18回白壁賞を受賞したのは,江副康正氏(京大大学院医学研究科集学的がん診療学講座)ほか「Magnifying Narrowband Imaging Is More Accurate Than Conventional White-Light Imaging in Diagnosis of Gastric Mucosal Cancer」[Gastroenterology,141(6):2017-25,2011]。また,第37回村上記念「胃と腸」賞は,西倉健氏(新潟大大学院医歯学総合研究科分子・病態病理学分野)ほか「胃上皮性腫瘍の拡大観察像と病理学的所見」[胃と腸,46(6):825-40,2011]に贈られた。

NBI内視鏡による早期胃癌の診断能を評価

 白壁賞は,故・白壁彦夫氏の業績をたたえ,消化管の形態診断学の進歩と普及に寄与した論文に贈られる。授賞式では選考委員を代表し,飯石浩康氏(大阪府立成人病センター消化管内科)が選考経過を説明。「本論文は,NBI(Narrow Band Imaging)拡大観察群と白色光非拡大観察群の多施設共同ランダム化比較試験から,それぞれの早期胃癌の内視鏡診断能を報告したもの。主観的になりがちな診断能を客観的に評価する方法論を確立した研究とも言え,内視鏡診断学に大きく貢献した」と,受賞論文を評した。

 受賞の挨拶に立った江副氏は,「白壁賞という歴史ある賞をいただき大変うれしい。内視鏡診断学において,本研究が一つの参考になれば幸い」と語った。

ユニークな解析方法から,NBI拡大画像所見と粘膜形質の関連性を明らかに

 村上記念「胃と腸」賞は,故・村上忠重氏の業績をたたえ,消化器,特に消化管疾患の病態解明に寄与した論文に贈られる。西倉氏らの受賞論文に対し,飯石氏は「デジタル画像化した切除標本のルーペ像を画像編集ソフトで編集し,固定標本や内視鏡画像に重ね合わせてマッピングするという手法がユニーク。この方法をもってNBI拡大画像所見と粘液形質の関連性を解明したことに加え,画像も秀逸だった」と授賞理由を語った。

 西倉氏は,「臨床医と病理医が互いに忌憚なく意見を交わし,切磋琢磨することで,診断技術は進歩する。今回,病理医としてその一端を担えたことを誇りに思う」と感想を述べた。

江副康正氏 西倉健氏

*授賞式のもようは「胃と腸」誌(第47巻12号)にも掲載されます。