医学界新聞


第85回日本循環器学会学術集会の話題より

取材記事

2021.04.19 週刊医学界新聞(通常号):第3417号より

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斎藤能彦大会長

 第85回日本循環器学会学術集会(大会長=奈良医大・斎藤能彦氏)が3月26~28日,「NEXT STAGE――Future of Medicine & Community」をテーマに,パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)の会場およびオンライン配信のHybrid形式で開催された。本紙では,会長特別企画「かかりつけ医によるこれからの心不全診療と循環器病対策推進基本計画」(座長=榊原記念病院・磯部光章氏,日医・羽鳥裕氏)の模様を報告する。

 「まずは心不全を予防することが,実地医家の重要な役割だ」。こう語ったのは,横山内科循環器科医院の横山広行氏。年々患者数が増加する心不全に対し,かかりつけ医が高血圧や糖尿病などの増悪因子をコントロールすることの重要性を強調した。さらに,症状のない心不全を見逃さないための対策として,心不全を探索するための問診と,心不全を示唆する徴候を患者自身に自覚してもらうための患者教育の必要性を主張した。

 続いて,心不全診療の地域連携の実態と問題点を明らかにしたのは衣笠良治氏(鳥取大)。かかりつけ医を含む循環器専門医と非循環器専門のかかりつけ医に対して実施したアンケート調査の結果を紹介した。心不全診療の地域連携に対し,循環器専門医は心不全増悪による再入院の予防や死亡率の低下を重視するのに対し,非循環器専門医は介護者...

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