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国循・天理よろづ印 心エコー読影ドリル【Web動画付】

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こんな問題集がほしかった! 心エコー読影力が必ずupする50症例、動画185本付!「循環器ジャーナル」人気連載に大幅加筆し、心不全や弁膜症、先天性心疾患から、虚血性心疾患、心筋疾患まで、心エコー読影力さらにはその先を問う症例を厳選。解き終えた後は不正解の問題を解き直すもよし、付録の「逆引き疾患目次」「Learning Pointまとめ」で各疾患の理解を深めるもよし。ボロボロになるまで使い倒すべし!

編集 泉 知里
発行 2021年04月判型:B5頁:192
ISBN 978-4-260-04584-1
定価 4,950円 (本体4,500円+税)

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    2021.07.29

  • 序文
  • 目次
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はじめに

 心臓病の醍醐味って何でしょうか?
 心臓は動く臓器です.病態もダイナミックに変化します.そのダイナミックに変化する心臓を理解するためには,心臓の形態を評価すると同時に,血行動態を評価することが重要です.
 目の前の患者さんがなぜ息苦しくなるんだろう?
 心雑音って言われているけど,どこの雑音だろう?
 これらの答えは,心臓の形態的な評価と血行動態の評価をつなぎ合わせて初めて見えてきます.その重要な役割を果たしてくれるのが心エコー図検査なのです.
 そしてもう一つ,心エコー図検査は患者さんに負担なく検査できるため,心臓病のスクリーニング検査として施行することも多いと思います.多分正常だろう,と思っていたのに,思いもよらない異常が隠れていて,心エコーのおかげで病気が見つかった,という患者さんも多くおられます.いろいろな病気のパターンを経験するからこそ,ちょっとした異常に気づくことができます.
 とはいえ,目の前の患者さんの心エコー所見を紐解いて正しく診断していく……自分一人で検査をしていると,これはかなりのストレスだと思います.また,いろいろな病気のパターンを一人で経験することもなかなか難しいため,自分の心エコー所見に自信が持てなかったりすることもあると思います.自分の撮ったエコーの診断が正しいかどうか,答え合わせをしたくなることはないでしょうか?
 いつでも上司や仲間と答え合わせができる状況で,心エコー図検査を行っている人は限られています.また忙しい日常診療の中で,自分の好きなペースで答え合わせを行うことは難しいでしょう.そのような方々に,好きなときに答え合わせができるような心エコーの本があったら……そんな思いでこの本を作りました.ワンルックで判断できる基本的な症例から,少し特殊で臨床的な情報も加味しながら考えていかないと答えにたどり着けないような症例も盛り込んでいます.
 日頃の不安の解消のため,また自分の力試しのため,ぜひ,この本をご活用いただければと願っています.

 2021年2月
 コロナと藤川球児引退と嵐の活動休止で落ち込みながら
 泉 知里

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本書の構成
心エコー図動画の再生方法
2章の「心臓超音波検査報告書」略語一覧

1章 小手調べの20症例!(Case 1~20)
 解説に収まりきらなかった文献

2章 いよいよ本番の30症例!(Case 21~50)

付録
 逆引き疾患目次
 Learning Pointまとめ

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このドリルで学べば,君も「知里チルドレン」だ!
書評者:中川 義久(滋賀医大教授・循環器内科)

 ドリル(drill)学習は,一定の法則性がある型を繰り返しこなすことで,知識の効率的な定着を促す効果がある訓練法とされます。算数ドリルや漢字ドリルなど,皆さんもなじみがあることでしょう。

 『国循・天理よろづ印 心エコー読影ドリル【Web動画付】』は,単なる心エコークイズや問題集ではありません。基本的な症例から複雑な病態まで,繰り返し学ぶことで心エコーの読影力が飛躍的に向上するドリルです。心エコーは静止画ではなくWebで動画にアクセス可能です。右心カテーテル検査結果などの圧データも多く呈示されているので,心エコーに加えて,血行動態と心不全への知識も整理して身につけることが可能です。

 この素晴らしい書籍を執筆・編集したのが泉知里先生です。彼女は,奈良県の天理よろづ相談所病院で医師として初期研修から開始し,心エコーを中心として活躍する循環器内科医として成長しました。この病院は当初から心エコーで有名な基幹施設であったわけではありません。泉先生が,一例一例を大切に積み上げ,心エコーのデータを蓄積し,継続的に情報発信することによってポジションを築き上げたのです。そして,国立循環器研究センターに着任し,この分野を牽引する立場で大活躍するに至っています。

 これは,泉先生の個人的な能力とエネルギーだけでなく,多くの協力する人材によって構築されたことを私はよく知っています。私は,現在の滋賀医大に勤務する以前に,天理で泉先生と10年間以上の期間,一緒に仕事をさせていただいたからです。循環器内科の若手医師や臨床検査技師と共に,全ての心エコー症例の動画を見ながら議論し,報告書を作成する「診断会」を積み重ねる様子を頼もしく拝見していました。この心エコー診断会は強制参加ではなく,内容のレベルの高さと,彼女の人を惹きつける魅力によって維持されていました。この診断会で泉先生の薫陶と愛情を受けて育った人材が,「知里チルドレン」です。本書の多くは「知里チルドレン」によって執筆されています。この『国循・天理よろづ印 心エコー読影ドリル【Web動画付】』で学ぶことは,泉先生の主宰する心エコー診断会に参加することを意味します。この書籍の行間から,彼女の醸し出す人間力を感じることでしょう。そうです。あなたも「知里チルドレン」に仲間入りです。

 本書は,心エコーを初歩から学びたいという若手医師や技師に適していることはもちろんです。さらに,一定レベルを超える知識を持つ者にも,知識をブラッシュアップし,確実なものとするために有用です。本書では,各症例に「難易度」が記載されています。さらに「逆引き疾患目次」や「Learning Pointまとめ」といった工夫も素晴らしいです。きっと「知里チルドレン」の誰かの発案と拝察します。読者の中から,次世代の「知里チルドレン」が登場することを楽しみにして,本書を推薦させていただきます。


心疾患が増え続ける今,ハートチームに必須の一冊
書評者:渡辺 弘之(東京ベイ・浦安市川医療センター ハートセンター長)

 心エコーには読影が必要だ。私は,この書籍がハートチームに必須の一冊になると確信している。超高齢社会の中で心疾患は増え続けており,特に心不全症例の増加は顕著である。そのような社会的背景の中で,心エコー図検査の需要は今後も増え続ける。それは心エコーの特性がベッドサイドでいつでもリアルタイムに心疾患や血行動態を評価することができるからである。在宅医療でもクリニック診療でも病院の救急室でも病棟でも,あらゆる医療の現場に心エコー図検査は拡散していくだろう。

 私が心エコーを学び始めた時,自分で創意工夫をして自由自在に画像を記録できることにワクワクした。妙な全能感があり,それはそれは楽しい時間だった。ところがある日,目の前の患者さんの心不全は3か月前に予測できたことに気付かされることになった。自分が記録した心エコー図はきちんと読影されておらず,心不全発症を防ぎきれなかったのである。まさかその現場に自分が立ち会うとは想定外だった。学会で聞いたこと,教科書で読んだことが,目の前で起こっていることにつなげられなかったのである。

 それはなぜか。自分のできの悪さを棚に上げると,「学び方」がなかった。いわゆる「教科書」があっても「ドリル」はなかったのである。私達が勉強するとき,教科書と演習,すなわち「ドリル」はいつもセットだったはず。小学校からずーっとそうだった。なぜプロの現場にはそれがなかったのか,とても不思議である。

 そこに登場したのが,この『国循・天理よろづ印 心エコー読影ドリル【Web動画付】』である。こんな本は見たことがない。この本には泉知里先生とその仲間たちの経験が詰まっている。エビデンスに裏打ちされた知識はもちろん科学的思考の素材だが,臨床につなげるためには正しい経験が不可欠である。日本でも有数の施設から多くの若手医師と技師が参加した本書は,自宅で,あるいは職場で,かけがえのない心エコー図読影の経験を自分のペースで経験することができる貴重な書籍である。

 ここからは,皆さんの出番だ。ハートチームに参加して心エコー図に触れようとお考えであれば,ぜひ本書を活用すべきである。成功した先輩たちは,必ず良い経験をしている。今度はあなたが本書を通じて知識と経験を手に入れる番だ。ぜひ,自分に投資してはいかがだろう。


クイズ形式で楽しく心エコーの実力がアップ
書評者:伊藤 浩(岡山大大学院教授・循環器内科学)

 私の専門分野は心エコー図法である。以前,病院で心エコー図検査をしていた時,謎解きのような快感を覚えたことが何回もあった。漫然とルーチンの断面を記録しているだけではどんな疾患かわからない。疾患に特徴的な心エコー所見を覚えていた,あるいは画面上のわずかなヒントに気付くことで正解にたどり着くことができた,このような経験である。そのような心エコー図検査ならではの快感を再現しているのが本書である。まさしく“ドリル”である。

 単なる正解を求めるクイズ本ではない。本書の特徴は心エコー画像から所見を読ませること,それ自体がクイズである。付録の動画をしっかりと見ないとなかなか正解できない。所見を読み,数値データも参考にしながら,どのような心疾患,どのような病態であるか考えていく,まさに心エコー図検査のプロセスそのものである。「1章 小手調べの20症例!」は誰でも知っているはずの典型的な症例であり,自分のレベルを知ることができる。次の「2章 いよいよ本番の30症例!」は実力試験である。心エコー診断にたどり着くことも大事だが,ぜひ解説を読み込んでいただきたい。各症例の最後にあるLearning Pointを覚えるだけでも十分に勉強になる(本書の末尾には各症例のLearning Pointをまとめたものも掲載されている)。

 たくさんある心疾患の中からなぜこの50症例? という疑問があるかもしれない。そのセレクションにこそ編集者である泉知里先生の臨床経験が生かされている。天理よろづ相談所病院,国立循環器病研究センターで多くの臨床例を最前線で経験した目で選ばれた症例である。ということは,これらの疾患をしっかりと診断することができれば病院での心エコー図診断には十分である。この割り切りこそが本書のもう一つの特徴である。

 そして,検査技師ももちろんチーム医療の一員である。執筆陣に両施設の医師とともに検査技師が名前を連ねているのがとても良い。最後に診断するのは医師,ということで所見のみで診断を避ける検査技師も少なくないが,ぜひ自信を持って心疾患を診断し,病態を評価して欲しい。若手医師にとっても,検査技師にとっても,本書は心エコーを“学ぶ”ための最適な実践ドリルであるといえる。

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本書の記述の正確性につきましては最善の努力を払っておりますが、この度弊社の責任におきまして、下記のような誤りがございました。お詫び申し上げますとともに訂正させていただきます。

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