医学界新聞

2020.06.15



第31回「理学療法ジャーナル賞」


 2019年12月,第31回「理学療法ジャーナル賞」の受賞者が決定した。本賞は,同年の1年間に『理学療法ジャーナル』誌に掲載された投稿論文の中から優秀論文を編集委員会が顕彰し,理学療法士の研究活動を奨励するもの。2019年は総投稿数105編のうち下記4論文が準入賞,奨励賞に選ばれた。なお,2020年4月に開催予定であった贈呈式はCOVID-19の影響で中止となった。

【準入賞】増田一太,他:女性の骨盤形態と変形因子の検討――経腟分娩が与える影響(第53巻第6号,原著)
【奨励賞】古谷英孝,他:人工関節置換術後患者における日本語版Forgotten joint score の再現性と妥当性(第53巻第7号,報告)
【奨励賞】小林裕生,他:末期変形性膝関節症患者の生活空間を歩行速度から予測する(第53巻第8号,報告)
【奨励賞】戸田香,他:スピーカーを応用した振動覚測定と下肢振動覚の身体部位特性(第53巻第10号,報告)

 準入賞の増田氏らの論文は,経腟分娩経験者37人と未産婦50人の計87人における骨盤形態の差異を検討したもの。骨盤形態を身体計測や問診項目と併せながら,日本産婦人科学会による骨盤外計測法に準じて計測。判別分析を用いて,骨盤のねじれには経年的な負荷と経腟分娩の経験が関与することを明らかにした。同誌編集委員の福井勉氏(文京学院大)は,簡便な機器のみを用いて日常臨床で考えられる項目との接点を見逃さなかった点を評価。経腟分娩後の骨盤帯痛の予防には,妊娠や分娩の前後だけではなく,骨盤固定の長期継続の必要であることを示唆した論文だと講評を寄せた。

 『理学療法ジャーナル』誌では本年も,掲載された投稿論文から第32回「理学療法ジャーナル賞」を選定する。詳細については同誌投稿規定を参照されたい。

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