医学界新聞

2018.03.19



『中動態の世界』が「じんぶん大賞」を受賞


 國分功一郎氏の『中動態の世界――意志と責任の考古学』(医学書院)が「紀伊國屋じんぶん大賞2018」の大賞を受賞した。贈賞式は2月19日,紀伊國屋ホール(東京都新宿区)で行われた。本賞は2016年12月~17年11月に刊行された人文書を対象に,一般読者と選考委員の投票によって決定。対象期間中に話題の人文書が数多く刊行された今回,受賞の行方に大きな注目が集まっていた。

 贈賞式でのスピーチで國分氏は,「読者の皆さんの投票によって選ばれるという民主主義的な賞をいただくことができ,民主主義を大切に思っている僕としてはとてもうれしい」と切り出した。続いて「本書を出してから多くの方と語り合うなかで――特にサブタイトルに入っている“責任”について――自分の考えはさらに前に進んできている。読んだ方からも『これも中動態じゃないか』という感想をたくさんいただき,僕の中だけではなく外側でもいろいろなことが始まっているのを実感している。本を書き終えた今,『ああ,ここが出発点なんだ』という気持ちになっている」と熱く語った。なお,同書は2017年10月に第16回小林秀雄賞も受賞している。

贈賞式で受賞の喜びを語る國分功一郎氏

◆國分氏の受賞スピーチ動画はこちら