医学界新聞

連載

2017.07.24



看護のアジェンダ
 看護・医療界の"いま"を見つめ直し,読み解き,
 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。
〈第151回〉
看護管理ものがたり

井部俊子
聖路加国際大学名誉教授


前回よりつづく

 2017年度の聖路加国際大「看護管理塾」が始まった。毎月1回,全10回のコースで看護管理者の看護ものがたりを紡ごうというものである。今年は53人のメンバーが集まった。毎回のテーマと担当する講師は決めているが,どのような企画で運営するのかについて事前打ち合わせを必ず行い,6人の講師が意見を戦わせて方向性を作り上げる。今年は看護管理塾修了生4人がボランティアで運営をサポートしている。

 看護管理「ものがたり」であるから,1年間の看護管理者の体験を想定して次のような章立てにしている。第1章は「出会い」,第2章は「マネジメントに取り組む」,7月になると第3章の「感情の源泉を扱う」必要が生じ,9月は第4章「効果的な会議」を考え,秋になると第5章「人の強みをみつける」ことが大切と考え,そして第6章「仕事の意義を考える」ことを学び,冬になると第7章「人に仕事を与える・任せる」ことになる。そして第8章「イノベーションを起こす」,第9章「やる気にさせる職場」となり,3月は第10章「学習を深める」で過去9回分を復習する。基本的に短いレクチャーとチームワークで構成される参加型の研修である。

 毎年やっていることなのに,講師としても新しい発見がありドキドキすることがある。本稿では2017年6月24日に行われた第2章「マネジメントに取り組む」(担当講師=聖路加国際大助教・倉岡有美子)を取り上げたい。

管理者になることはエキスパートとしての自分を一部捨てること

 このクラスでは最初に40分ほどのミニレクチャーがあった。第2章の目標は「マネジャーとして成果を挙げるために,マネジャーが直面すると言われる7つの挑戦課題を

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