注意深く,大事に持ち帰ります 医療廃棄物入れさん(鶴岡優子)
連載
2014.02.03
(前回からつづく)
在宅医療の現場にはいろいろな物語りが交錯している。患者を主人公に,同居家族や親戚,医療・介護スタッフ,近隣住民などが脇役となり,ザイタクは劇場になる。筆者もザイタク劇場の脇役のひとりであるが,往診鞄に特別な関心を持ち全国の医療機関を訪ね歩いている。往診鞄の中を覗き道具を見つめていると,道具(モノ)も何かを語っているようだ。今回の主役は「医療廃棄物入れ」さん。さあ,何と語っているのだろうか?
往診鞄のこちらが定位置 私のふたが開いてしまう事故は今までありませんが,念のため,こちらのポケットには私だけが入るようにしています。医療機関に帰ってくると,黄色のバイオハザードマークのついた四角い頑丈な容器に中身は移され,専門業者の回収を待ちます。 |
私は,在宅医療で出てきたゴミの一種,医療廃棄物の入れ物です。使い捨ての針や注射器など,感染症の汚染源となり得る廃棄物を医療機関に持って帰るための入れ物です。使用後の針は血液などが付着した鋭利なモノで,危険性も高く扱いには注意が必要です。針刺し事故などが起こらないように,ハードな入れ物にいれて注意しながら持ち帰ります。専用の入れ物もありますが,私はいわゆるタッパー族。全国を調査してまわった往診鞄研究家によれば,案外浸透している人気アイテムのようです。
はい,私の出身は“ヒャッキン”です。全品100円均一のお店で主人に買われ,こちらへやってきました。お手頃な価格で豊富な品揃え。大きさ,色,素材といろいろな種類がありました。私は,使用後の注射器を分解せず,針ごとそのまま持ち帰りできる点が気に入られたようです。ふたがきっちり閉まること,これも医療廃棄物入れとしては重要なポイントですね。
訪問診療にうかがうすべてのお宅で私の出番があるわけではありません。採血や注射がある場合に私は呼ばれ,廃棄物になったらすぐに隔離できるよう,ふたを開けて準備します。一緒に使用するアルコール綿も,皮膚を消毒し,採血や注射を行った...
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