「座長」談義(井部俊子)
連載
2013.01.28
| 看護のアジェンダ | |
| 看護・医療界の"いま"を見つめ直し,読み解き, 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。 | |
| |
井部俊子 聖路加看護大学学長 |
(前回よりつづく)
秋の学会シーズンでいくつかの「講演」を聴いた。学会プログラムには講演する講師と並んで「座長」が示される。壇上にいて,その講演の口火を切る座長は,これから繰り広げられる1時間ほどの講演を誘導する重要な役割を担っている。ということに,ある退屈な講演を聴きながらはたと思い至った。それに,本稿の編集者からの「"学会座長の心得"みたいなテーマでアジェンダを書いていただくのも面白いかもしれません」というフレーズが頭に浮かんだ。
もしあなたが講演の演者ではなく座長を依頼され引き受けたとして,どのように振る舞うと聴衆と講師の距離を縮め,期待感にあふれた開幕とすることができるのか。講演中や終了後に座長がやるべきことは何か。私の経験則を紹介しようと思う。
「控え室情報」の活用,場の「解凍」
1)座長を引き受けた時点で
座長の依頼があり引き受けようと決めた時点で,講演テーマと講師の略歴と業績に関心を持つ。全く面識のない講師の場合はインターネット等で情報を得る。立花隆だったと思うが,自分が対談する相手の著作をすべて読むと言っていた(私もマネしようと思ったことがあったが挫折した)。
2)講演前
講演が始まる30分くらい前には控え室で講師にあいさつし,簡単な打ち合わせを行う。この「出会い」が大切である。どこからやって来たのか,どんな様子なのか,何に関心を持っているのか,面白そうな人か,講演の内容のポイントをどこに置いているのか,などを探索する絶好の機会である。
講演時間のぎりぎりまでパワーポイントを修正している踏ん切りの悪い講師もいるので,講師のそばにべったりいる必要はない。座長としての語りに必要な情報を得たら,会場の下見に出かけるとよい。
3)壇上での振る舞い
アナウンスにより座長が紹介され,壇上に登り席につく。座長にライトが当たる瞬間である...
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