がん総合診療部門
連載
2008.12.15
腫瘍外科医・あしの院長の 〔
第3回
〕 蘆野吉和(十和田市立中央病院長) 腫瘍外科医として看護・介護と連携しながら20年にわたり在宅ホスピスを手がけてきた異色の病院長が綴る, |
(前回よりつづく)
がん対策基本法の施行により,“継ぎ目のないがん医療”“包括的がん医療”体制をつくることはがん医療を行う病院が取り組むべき大事な課題となっています。
特に進行したがんであれば,がんが診断された時点から終末期まで,病院内の複数診療科で,あるいは複数の医療機関で,そして,病院から地域(在宅)まで,病状にかかわらず連続した医療的支援(外科治療,化学療法,放射線治療,緩和ケア)が受けられ,関連する情報が提供されることが保障されるべきだと思います。
患者の運命を変える可能性のある場をできるだけ用意する
しかし,現実は残念ながら違います。がん専門病院でさえ専門診療科間の連携がうまくいっていません。最初の担当医の医学的知識や経験の差によって治療の選択幅が違うことはよくあることです。積極的な緩和ケアを受けられる人はまだまだ少ないのも現状で,痛みを含めた症状が緩和されず,病床から起き上がれない人は少なくありません。緩和ケアの情報は多くの場合,医師が治すことを断念した時に提供されています。また,在宅ホスピスケアの情報はほとんど提供されていません。
結果的に,多くの不幸と思われる事例を目にしますが,担当医を信頼している“患者”本人は不幸と感じていないものと思います。それも運命ということが言えるでしょうが,病院として運命を変える可能性のある場をでき...
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