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Dr.いっしーの聴診レッスン

連載 石井大太

2026.09.04

前回までは心臓聴診をレクチャーしました。第6回からは,肺音に着目し聴診のポイントを紹介していきます!
今回は次の質問の答えを考えてみてください。

それでは心音に引き続き,肺音の聴診もマスターしていきましょう!

Q.呼吸音を聴診するときは何を評価すればよい?

A. 「しかるべき音が,しかるべき場所で聴こえているか」を特に評価する

学生や研修医の先生たちに「呼吸音を聴いてみよう」と促すと,大多数が「cracklesがあります」や「雑音は聴こえません」と答えてくれます。さて,ここで食い違いが起こっているのに気が付きますか? 改めて肺の聴診について用語と分類を整理してみましょう(図1)。

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図1 肺音の分類

学生や研修医の皆さんが大好きなcracklesは,副雑音の中の断続性ラ音に分類されます。呼吸音とは文字通り,気体が気道の中を出たり入ったりするときに発生する音で,聴取できる領域によって,気管・気管支呼吸音と肺胞呼吸音に大きく分けられます。そしてこの呼吸音と副雑音をまとめて肺音と呼びます。初学者の方の聴診を見ていると,cracklesの有無だけに気を取られて呼吸音の評価をしていないことが多いように思います。cracklesの有無を評価する前に,ぜひ呼吸音の評価を忘れずに行ってみてください。

呼吸音は先述の通り,気道の中を気体が出たり入ったりするときに発生する音です。主に音の発生に関与するのは,軟骨を持ち,比較的中枢に近い気管支だと言われています。つまり,末梢の細気管支や肺胞は呼吸音の発生には直接的に関与しないということです。また,肺の組織は高い音のみを吸収し,低い音は透過させる特徴があります。この2つの原則により,呼吸音は聴く場所によって音質が異な...

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聖マリアンナ医科大学総合診療内科

2019年聖マリアンナ医大卒。大船中央病院にて初期研修の後,浦添総合病院病院総合内科にて後期研修を修了。24年より現職。同大の専門教育科目である診断学シリーズで講義を担当し,動画コンテンツを活用した身体診察の教育に携わる。編書に『フィジカル大全ー読んで,見て,聴いて,身体診察を完全マスター』(医学書院)。

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