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取材記事

2025.12.22

千葉大学看護学部創立50周年記念式典が,2025年12月14日,千葉大学亥鼻キャンパス内のゐのはな記念講堂(千葉市)にて挙行された。式典には愛子内親王殿下の臨席をはじめ,多くの来賓のほか,卒業生や学生ら約400人が出席した。記念式典であいさつに立った増島麻里子氏(千葉大学看護学部長・研究院長)はこれまでの歴史を振り返りながら, 先人たちへの敬意と関係者たちへの感謝を述べた。

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写真 愛子内親王殿下(提供:千葉大学看護学部)
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式典の様子 (提供:千葉大学看護学部)

千葉大学看護学部は国立大学唯一の看護学部であり,その設立は1975年にさかのぼる。文部省(当時)が看護教育の大学化推進の必要性を唱える中で,大学としては日本で6番目,国立大学としては国内初となる看護学部が誕生した。

同大看護学部はこれまでに約4000人の看護人材を輩出し,看護教育・研究・実践の発展において多大な貢献を重ねてきた。その中でも,看護職の育成だけでなく,看護学の教育者育成にも注力してきたのが大きな特徴と言える。2024年には同大看護実践・教育・研究共創センターが「看護系大学教員向けレベル別体系的FD研修プログラム」を開始。全国の看護系大学教員の「次世代育成力」を重層的に強化することで,環境の変化に創造的に適応し,新たな看護の役割を果たす看護系人材の育成に寄与する目的を掲げている。

日本赤十字社に勤務する愛子内親王殿下は,「私は幼少の頃より折に触れて看護師の的確な判断や対象者の意をくんだ臨機応変な対応に接し,相手の心身に寄り添う誠実な姿勢に,看護師の素晴らしさを感じてまいりました」と述べられ,さる5月に能登半島地震の被災地を訪問した際に感じられたことを振り返りながら,「地震や豪雨などのさまざまな自然災害が発生する中で,災害時の看護や被災者への支援に力を注ぐこともますます大切になってきているものと思います。看護や看護学の一層の発展に力を尽くされることを願います」と,大学の取り組みに敬意を表しつつ,今後の活躍を願われた。

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写真 増島麻里子氏(提供:千葉大学看護学部)

記念式典に続き開催された講演会では,同学部卒業生である北山三津子氏(岐阜県立看護大学学長)が「1期生として千葉大学看護学部における経験を振り返って」,広井良典氏(京都大学名誉教授,前・千葉大学法政経学部教授)が「ケアと現代社会」のテーマでそれぞれ講演し,今回の記念事業に花を添えた。

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