スポーツ医学を学生主導で専門的に学ぶ
順天堂大学スポーツ医学塾 特別セミナー開催
取材記事
2024.07.19
スポーツ医学に関する知識や情報を得たい。将来,アスリートの医学的サポートに携わりたい。スポーツドクター・トレーナーの仕事を知りたい。同じ道を志す仲間と一緒に学ぶ場が欲しい。学部を超えスポーツ医学にかかわる人と交流したい――。こうした思いを持つ順天堂大学の学生を対象に,月に2度開かれるスポーツ医学塾。医学界新聞プラスでは,7月4日に,日本の野球医学の第一人者である馬見塚尚孝氏(ベースボール&スポーツクリニック)を講師に招いた特別セミナーを取材した。
整形外科アプローチだけでない野球選手へのかかわり
馬見塚氏は「野球医学でみんなを笑顔に!」を理念に①治療,②予防,③助修(註1)の考えをベースに自院で実践する診療について,自らのキャリアにも触れながら紹介した。具体的には肘内側側副靱帯再建術(通称:トミー・ジョン手術)など野球障害への整形外科学アプローチ,女性アスリート医学やスポーツ内科学アプローチのほか,栄養学,コーチング学に基づいた診療について講義。自身が取り組んできたシステム・デザイン・マネジメント(註2)の考えを取り入れ,興味・関心のある異分野に飛び込み,他人とは違う強みをもったキャリアを歩んでほしいと学生らに伝え,講演を締めくくった。
註1:自己の徳性や品格を高めるための修養や自己鍛錬である修身を助けること。
註2:単一のディシプリンでは解決できない課題を,異分野との関係性を構造化し,新たに何らかのシステムを創造し,それを運用する方法。

続く質疑応答では, Jリーグクラブのチームドクターを務めるなどサッカー医学の最前線で活躍し塾長を務める齋田良知氏(順大)が加わり,将来スポーツチームで働くに当たって求められる能力・資質や,成長期のアスリートと成人期のアスリートへのアプローチの違いなど,学生から質問が投げかけられ,特別セミナーは幕を閉じた。

学生主体でスポーツ医学の専門性を高める
スポーツ医学塾には医学部,保健医療学部,スポーツ健康科学部の学生を中心におよそ250人が所属しており,学生が中心となって運営されている。同塾では月に2回セミナーを開催するほか,Jリーグクラブへの帯同や,インターハイのメディカルスタッフとしての活動も含まれる。
塾長の齋田氏はポーツ医学塾の魅力をこう語る。
「普段の授業内では教わる機会の少ないス...
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