逆輸出された漢字医学用語
[第3回] 精神病
連載 福武敏夫
2023.08.07 週刊医学界新聞(通常号):第3528号より
「精神」という言葉はいつからあったのか。中国に既にあったものを使用してきたと言われ,確かに紀元前300年前後の荘子の書にある。本邦では万葉集の大伴家持の長歌の中に出てきており,「こころ」と読ませている。しかし別版なのか,「情邪」という漢字が当てられているものがあり,真相は不明である。近代の中国では,1858年の『医学英華字釈』に「精神」がみえるが,これは「spiritus」の訳語である。
医学用語としての「精神病」は『日本国語大辞典』によると,奥山虎章による『医語類聚』(1872)に初出し,「phrenica」や「psychosis」の訳語である。中国で医学用語として最初に現れるのは蕭瑞麟による
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