医学界新聞

書評

2018.12.10



標準医学シリーズ 医学書院eテキスト版
使ってみてどうですか?


 医学生定番の教科書「標準医学シリーズ」が電子化した「医学書院eテキスト版」としてリリースしてから半年。

 実際に使用されている学生さんは電子教科書をどう使い,どんな部分に利便性を感じているのでしょうか?


林 彩香さん(杏林大学4年)
 標準eテキストで『標準病理学』を見たら,自主学習でも使えるように説明がしっかり入っていてわかりやすかった。組織像写真を拡大すると,冊子よりもきれいで詳しく見ることができていいですね。


検索機能を活用して効率よく学習

 授業でわからない単語がでてきたり,レポートで調べものをする際,28冊の教科書を横断して検索できるので便利です。検索結果は,まず一覧で表示されます。そこから目的のページにとぶのですが,とんだ先が自分の調べたかったところではないことがあります。そのときに,「戻る」をタップすると検索語が消えずに検索結果一覧もそのまま表示されるようになっているんです。それで改めて目的のページを探すことができます。戻ったときに検索語を再度入力しなおさなくてもいい。こういうケースはよくあるので,便利に感じる部分ですね。

領域をまたいだ学習のときは,複数の教科書を開いて

 一度にいくつかの教科書を開きっぱなしにしておける機能も,よく使います。たとえば小児科の勉強をするとき,1つの疾患について,標準小児科学なら好発年齢などが書いてありますが,別の標準タイトルには小児科学とは異なった側面からの解説が書いてあったりします。機序を知りたいなら標準生理学,外科的な治療を調べたいときには小児外科学といったように,並列させタブをを切り替えて確認することができる。いったんアプリを終了しても,次に開いたときにタブが残っているので,続きから勉強するときに便利です。


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伊丹 竜大さん(順天堂大学4年)
 標準シリーズは,大学で坂井建雄先生の『標準解剖学』を使っていたので,名前には聞き覚えがありました。図書館に行くとたくさんの科目の「標準」があるので,「教科書はこれがいいかな」と。


探したいページを俯瞰して探せる,プレビュー表示

 検索ではなく,目次から見たいというときもわりとあります。細胞生物学などで普段耳慣れない言葉がでてきたときには検索して調べることが多いですが,解剖学などでは,たとえば「胸部の解剖」など自分で調べたい箇所が全体の中でどのあたりにあるかわかっているので,目次を見るほうが早い。目次の項目を直接タップすると,該当ページにとべます。さらに,ページのサムネイルや目次の項目をタップして表示されるプレビュー機能で,調べたいことが書かれているページかどうかをざっと確認して該当ページにとびます。

教科書を読むことは,やはり力になる

 試験対策としては,過去問を解くほか,授業で配布されるレジュメを再度読むことになるのですが,1つの科目でも複数の先生による授業もあるので,体系だった形で理解するにはやはり教科書を読む必要があると感じます。レジュメによっては,キーワードだけが並んでいて詳しい解説がない場合もあるので,そういう場合は教科書で調べることになります。eテキストはこのようなときに便利です。時間をとってしっかり教科書を読みこんだ科目では,やはりいい点が取れましたね。


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