文体のレッスン(井部俊子)
連載
2015.08.31
| 看護のアジェンダ | |
| 看護・医療界の"いま"を見つめ直し,読み解き, 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。 | |
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| 井部俊子 聖路加国際大学学長 | 
(前回よりつづく)
このたび,縁あって一般社団法人共同通信社に20回の連載原稿を書くという経験をした。連載のテーマは「看護師(ナース)がいます」とした。
大まかな構成は保健師助産師看護師法(保助看法)を参照することにした。つまり,第一章総則,第二章免許,第三章試験,第四章業務,第五章罰則という枠組みを決めて,一般の方に看護職のことを知ってもらい,うまく活用していただきたいと考えたのである。
一回の原稿文字数は11文字×90行(990字)であった。一回目の原稿は2015年2月に書き始め,最終回を書いたのは7月7日であった。共同通信社は地方紙に記事を配信するが,採用するかしないかは各新聞社の選択によるようである。「山梨で読みました」とか「新潟日報に載っていた」とかいう断片的な知らせを聞いていた。
ジャーナリズムの世界で「書く」ということ
今回の経験は,私にとって文章を書くという営みの中で大きな収穫をもたらした。日頃,専門領域の中で「書く」ことと,ジャーナリズムの世界で「書く」こととの作法の違いがあるということを学んだ。私の原稿は毎回編集担当者に手直しされた。当初は少しぶぜんとしたが,自分の文章がどのように解体されるのかに興味津々となった。
私は第一回の原稿をこのように書き出した。
| これから看護師(ナース)のことを書こうと思います。日本ではおよそ147万人(2010年)の看護師が就業しています。この数は前年と比べて,約3.7万人増えています。就業場所として最も多いのは「病院」(62.0%)です。次が「診療所」(21.0%)です。この二つを足すと83%となります。つまり,看護師の大半は医療機関で仕事をしているということになります。けれども看護師はいろいろな所で活躍しているのです。約3万人(2.1%)が「訪問看護ステーション」にいます。さらに「介護老人保健施設」に約4万人(2.8%),「介護老人福祉施設」に約3.2万人(2.2%)います。「保健所」(0.6%),「市町村」(0.4%),「助産所」(0.1%),「社会福祉施設」(1.4%),「居宅サービス等」(2.9%),「工場・事業所」(0.8%),「学校・研究機関」 | 
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