社会保障制度改革国民会議の議論(井部俊子)
連載
2013.08.26
看護のアジェンダ | |
看護・医療界の"いま"を見つめ直し,読み解き, 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。 | |
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井部俊子 聖路加看護大学学長 |
(前回よりつづく)
社会保障制度改革国民会議(以下「国民会議」,会長 =慶應義塾長・清家篤氏)は,「平成24年2月17日に閣議において決定された社会保障・税一体改革大綱その他既往の方針のみにかかわらず幅広い観点に立って,第二条の基本的な考え方にのっとり,かつ,前章に定める基本方針に基づき社会保障制度改革を行うために必要な事項を審議するため,内閣に」設置された(社会保障制度改革推進法第九条,下線は筆者)。
社会保障改革の基本的な考え方と基本方針
「第二条の基本的な考え方」とは,以下の4項目で示される。
1)自助,共助および公助が最も適切に組み合わされるよう留意しつつ,国民が自立した生活を営むことができるよう,家族相互および国民相互の助け合いの仕組みを通じてその実現を支援していくこと。
2)社会保障の機能の充実と給付の重点化および制度の運営の効率化とを同時に行い,税金や社会保険料を納付する者の立場に立って,負担の増大を抑制しつつ,持続可能な制度を実現すること。
3)年金,医療および介護においては,社会保険制度を基本とし,国および地方公共団体の負担は,社会保険料にかかわる国民の負担の適正化に充てることを基本とすること。
4)国民が広く受益する社会保障にかかわる費用をあらゆる世代が広く公平に分かち合う観点等から,社会保障給付に要する費用にかかわる国および地方公共団体の負担の主要な財源には,消費税および地方消費税の収入を充てるものとすること。
「前章に定める基本方針」(第5条-8条)を要約すると,次のようになる。
1)年金制度:今後の公的年金制度については,財政の現況および見通し等を踏まえ,国民会議で検討し結論を得る。年金記録問題への対処および社会保障番号制度の早期導入を行う。
2)医療保険制度:国民皆保険を維持,国民
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