医学界新聞

連載

2013.03.11

「型」が身につくカルテの書き方

【第9講】外来編(2) 継続外来カルテの書き方

佐藤 健太(北海道勤医協札幌病院内科)


3014号よりつづく

「型ができていない者が芝居をすると型なしになる。型がしっかりした奴がオリジナリティを押し出せば型破りになれる」(by立川談志)。

 本連載では,カルテ記載の「基本の型」と,シチュエーション別の「応用の型」を解説します。


カルテ記載例

患者:56歳,女性(第8講の症例の2年後,2013年5月)

問題リスト(1)
プロブレム 備考
#1.喫煙者 禁煙関心期(動機付け面接法導入)[2011年5月]→準備期[2012年12月]→実行期[2013年1月]
#2.高LDLコレストロール血症(カテゴリー1) 診断(食事療法導入)[2011年5月]→目標達成[2011年12月]:採血毎年6・12月(2)
#3.抑うつ状態(夫婦間ストレス) 診断(傾聴と支持的態度で対応)[2012年9月]→軽快[2012年11月]:スクリーニング毎年11月
#A.健康管理(50代女性)(3)(60代女性) 乳がん検診2011年8月陰性:奇数年
大腸がん検診2012年9月便潜血法陰性:毎年
高血圧・耐糖能異常・飲酒なし:再評価6・12月
体重・食事・運動・喫煙管理中(#1-2の中で)
マイナートラブルリスト(4)
2011年5月 #a.急性咳嗽(1か月)(5)
2012年5月 #b.急性咳嗽(1か月)(5)
2012年7月 #c.不眠症
2012年8月 #d.頭痛,#e.肩こり
2012年9月 #f.食思不振
 →#3.抑うつ状態(#c-f)(6)
2012年12月 #g.インフルエンザ
2013年4月 #h.急性咳嗽(5)
2013年5月 #i.職場配置転換(ストレスあり)

2013年5月×日(7)
S)先月の咳が治らない,鼻汁(±),全身症状(-),周囲流行(-)。歓迎会や部署異動ストレスで2 kg太ったが,食事は元に戻せた。タバコ吸いたくならない。
O)BP126/78。BW62.4 kg,禁煙・食事について意欲的に語っている。(8)
重篤感なし,RR<20,HR72,BT36.8。鼻すすり・鼻声(+),副鼻腔打診痛(-),咽頭発赤軽度・後鼻漏(+)。
A)#1.禁煙実行期:禁煙4か月目,誘惑の多い時期も乗り切り自信度大。
#A.健康管理:8月に乳がん検診予定。
#h.急性咳嗽:毎年5月・後鼻漏所見から白樺花粉症による後鼻漏症候群を疑う。
P)Tx)アムロジピン2.5 mg/日継続,フルチカゾン点鼻追加。
Dx)来月採血再検,8月にがん検診。
Ex)禁煙・食事療法続けられていることを承認・支援した。新しい職場で無理しないように。次回,看護師生活指導枠予約。(9)
NP)体重・禁煙状況と抑うつ気分,咳・鼻症状確認。(10)

(1)メジャープロブレムリ

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