「気を失ってしまったんだよ」(前野哲博,小曽根早知子)
連載
2012.08.06
外来診療
次の一手
【第5回】「気を失ってしまったんだよ」
前野哲博(筑波大学附属病院 総合診療科教授)=監修
小曽根早知子(筑波大学附属病院 総合診療科)=執筆
(2985号よりつづく)
本連載では,「情報を集めながら考える」外来特有の思考ロジックを体験してもらうため,病歴のオープニングに当たる短い情報のみを提示します。限られた情報からどこまで診断に迫れるか,そして最も効率的な「次の一手」は何か,ぜひ皆さんも考えてみてください。
【症例】Aさん 68歳男性高血圧,糖尿病で他院にて内服加療中。
バイタルサイン:体温35.9℃,血圧158/96 mmHg,脈拍54回/分・整。 ⇒次の一手は? |
■読み取る
この病歴から言えることは?
「気を失ってしまった」という,高齢男性の症例である。「高齢」「男性」であり,「高血圧」「糖尿病」があることから血管リスクは高い。特に糖尿病に関しては,普段のコントロールや服用内容が気になる。患者自身が把握していれば,ヘモグロビンA1c値や内服薬は確認しておきたいところである。
「気を失った」とはいうものの自力で受診することができており,明らかな麻痺があるとは考えにくい。バイタルサインでは血圧が高めだが,これも...
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