医学界新聞

連載

2011.07.04

在宅医療モノ語り

第16話
語り手:A4用紙の上では語り尽くせませんが フェイスシートさん

鶴岡優子
(つるかめ診療所)


前回からつづく

 在宅医療の現場にはいろいろな物語りが交錯している。患者を主人公に,同居家族や親戚,医療・介護スタッフ,近隣住民などが脇役となり,ザイタクは劇場になる。筆者もザイタク劇場の脇役のひとりであるが,往診鞄に特別な関心を持ち全国の医療機関を訪ね歩いている。往診鞄の中を覗き道具を見つめていると,道具(モノ)も何かを語っているようだ。今回の主役は「フェイスシート」さん。さあ,何と語っているのだろうか?


白い2つのフェイスシート
女の人がテレビを見ながら,顔に乗せている白いシートとよく間違われます。初めてお会いしたので記念撮影。私に書かれていることは,あくまで誰かを通しての語りであることを忘れてはいけませんね。
 黒板五郎さんに,ウチの主人が熱をあげています。あのテレビドラマ「北の国から」のお父さんです。TSUTAYAで毎週借りてきては,一方的な逢瀬を重ねています。唐突ですが,私は在宅業界でよく使われるフェイスシートです。

 在宅医療は,他職種で多職種な連携が大切らしく,あっちもこっちもレンケイです。具体的には直接会ったり,電話,メール,ファックス,書類で連絡を取り合ったりします。書類だけでも,紹介状などの診療情報提供書,訪問看護指示書に報告書,居宅サービス計画書,入浴可否意見書などなど,カルテは太る一方です。私フェイスシートもそんな書類の仲間で,ケアマネージャーさん作成のモノがよく使われています

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