コロナ禍でのプライマリ・ケアの存在意義
第11回日本プライマリ・ケア連合学会の話題から
2020.09.14
コロナ禍でのプライマリ・ケアの存在意義
第11回日本プライマリ・ケア連合学会の話題から
第11回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会(大会長=JA広島厚生連尾道総合病院・田妻進氏)が8月29~30日,「プライマリ・ケアと総合診療医学――学際的充実と伝承」をテーマにWeb上にて開催された。本紙では,草場鉄周氏(北海道家庭医療学センター)による理事長講演「コロナ時代に期待されるプライマリ・ケア」の模様を報告する。
プライマリ・ケアにおけるCOVID-19診療の支援に学会を挙げて取り組む
草場氏は講演冒頭,COVID-19対策として学会の予防医療・健康増進委員会感染症プロジェクトチームが主導し作成してきた,①新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療所・病院のプライマリ・ケア初期診療の手引き,②プライマリ・ケアにおけるオンライン診療ガイド,③訪問・通所系サービス従事者のための新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対応の手引き,の概要を解説。②のオンライン診療ガイドについては解説動画を鋭意作成中とし,「9月中の公開予定」と報告した。また,効率的かつ実効性の高いプライマリ・ケア診療システムの構築と運用のため,聖マリアンナ医大病院,川崎市立多摩病院で展開される取り組みを診療モデルとして取り上げ,①~③の手引きと共に学会特設サイトにて公開してきたと語る。他方,プライマリ・ケアの医療者に寄せられやすい市民からの素朴な疑問や不安に対応できるよう,学会公式のYouTubeチャンネル「家庭医お悩み相談所」も開設。家庭内感染対策のための動画など現在12本をアップしており,今後20本の動画を作成・追加していくとの見通しを示した。
発表の最後に氏は,「COVID-19という大きな危機が訪れている今こそ,プライマリ・ケアの重要性を市民に伝えられる大きなチャンス。自院の感染制御を強化した上で,地域医師会や保健所,基幹病院と連携しながらCOVID-19診療に貢献してほしい」と,参加者への期待を述べ発表をまとめた。
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