医学界新聞プラス
[第5回]文献管理の決定版:Paperpileの魅力と使い方
面倒なタスクは任せてしまえ! Gen AI時代のタイパ・コスパ論文執筆術
連載 中島誉也
2024.11.08
前回までは文献検索のためのAIツールを紹介してきましたが,今回は文献管理ソフトの決定版とも言える「Paperpile」について詳しく見ていきましょう。
Paperpileの利用をオススメする特徴5選
Paperpileは,クラウドベースの文献管理ツールです。Google ChromeにPaperpileの拡張機能を追加の上,GoogleアカウントでログインしGoogle Driveなどと同期すると,論文の簡易情報(ジャーナル名,出版年,概要など)と論文PDFが保存・管理できます。
Paperpileの主な特徴は以下の通りです。
①GoogleドキュメントやWordとの統合が容易:GoogleドキュメントやWordとシームレスに連携し,文書作成中の文献へのアクセス,管理などを簡単に行えます。
②使いやすいインターフェース:サイトが非常にわかりやすく設計されており,フルテキスト検索やフィルタリングなども直感的に操作できます。
③正確な引用文の生成:GoogleドキュメントやWordにPaperpileをプラグインすることで,引用文献を書く際に手打ちすることなく容易に作成できます。
④クラウドベースのストレージ:全ての文献をクラウド上に保存するため,どこからでも自分のライブラリにアクセスでき,他のユーザーとの共同作業も簡単に行えます。
⑤Chrome拡張機能による簡単な文献取り込み:Paperpile,Chrome検索結果,PubMedやGoogle Scholarによる検索結果から気になる論文を見つけたら,ボタン一つで取り込めます。
Paperpileはこう使う
では,実際の利用方法について解説していきます。
文献の取り込み:Chrome拡張機能を使用すると,ブラウザで調べた文献の横にPaperpileボタン(赤枠内)が表示されます。このボタンをクリックするだけで書誌情報がPaperpileに一瞬で取り込まれ,アクセス可能なPDFも同時に保存されます(青枠内)。さらに,ブラウザ右上の拡張機能のボタンだけでなく,Google検索結果やGoogle Scholar,PubMedなどの主要データベースの検索結果一覧に“Add to Paperpile”ボタンが表示され,論文ページへ飛ばなくとも文献をライブラリに追加できます(その論文がすでに自分のライブラリにあるかどうかも表示してくれます)。
文献の整理:直感的なドラッグ&ドロップで文献のアップロード,タグ付け,移動が可能です。フォルダやタグを使って,効率的に文献を分類・管理できます。
文献の閲覧と注釈:iPadアプリを使用すると,Apple Pencilで自由に書き込みながら論文を読むことができます。使用する場を問わないため,ベッドや電車の中でも快適に論文を読むことが可能です。
引用と文献リストの作成:WordのプラグインでPaperpileと連携すれば,クリック数回で文献リストを自動作成できます。引用フォーマットも自由に変更可能で,リバイス対応時やリジェクトされて投稿先のジャーナルが変わった場合でも簡単に修正できます。
他の文献管理ツールとの比較
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中島 誉也(なかしま・たかや)氏 長崎大学病院麻酔科 修練医1年目
長崎大医学部医学科在籍時代から医療AIや臨床研究に興味を持ち,ベンチャー企業でのインターンや複数の臨床研究を手掛けてきた。2022年に同大を卒業。現在は麻酔・集中治療分野の大学院や国内外のデータベースを用いた臨床研究を行いつつ,麻酔科医として臨床業務にも携わっている。
X ID:@naka_takaya
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