医学界新聞

2016.07.25



第22回日本看護診断学会開催


 第22回日本看護診断学会学術大会が7月2~3日,長家智子大会長(佐賀大)のもと「質の高いケアにつなぐ看護診断」をテーマに開催された(会場=福岡市・福岡国際会議場)。本紙では,臨床における看護診断の課題と活用法について議論されたシンポジウム「質の高いケアにつなぐためにできること――臨床の立場から」(座長=国立看護大学校・柏木公一氏,長崎大病院・本田裕美氏)の模様を報告する。

急性期病院で,看護記録をより良い看護につなげるには

長家智子大会長
 診断群分類包括評価(DPC)の導入と新規入院患者の増加を背景に,急性期病院の入院患者の平均在院日数は短縮傾向にある。最初に登壇した長崎大病院の岡田みずほ氏によると,同院では2003年度に約24.8日だった平均在院日数が15年度には約14.4日にまで減ったものの,約90%の病床稼働率を維持しているという。新規入院患者の増加は,入院時看護記録や文書作成の時間の増加を招き,同院では10年度,記録関連業務が病棟看護師の業務時間の約50%を占め,患者と話す時間の確保が課題となった。患者の問題点を中心とするNANDA-I-NIC-NOC(NNN)による看護計画だけでは,「退院後,生活の場での患者自身の目標」が見過ごされてしまうとの危機感から,同院では13年に,独自の患者参画型看護計画立案方式を導入。新規入院患者1人につき記録時間を42.5分短縮しただけでなく,看護師からは患者との会話が増え,患者の希望に合わせた個別的なケアができるようになったとの声が上がったという。これを受けて氏は,NNNのみによる看護記録の在り方を再考し,地域での療養を見据えた「退院後の患者自身の目標」を反

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