入院時のチェック(井部俊子)
連載
2016.04.25
| 看護のアジェンダ | |
| 看護・医療界の"いま"を見つめ直し,読み解き, 未来に向けたアジェンダ(検討課題)を提示します。 | |
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井部俊子 聖路加国際大学特任教授 |
(前回よりつづく)
ある研究会で説明された資料をみて,私は内心がくぜんとした。新人看護師の「私たちは業務はしているがケアをしていない」という嘆きが“なるほどこのことか”と思ったからである。
延々と続く「入院時のルーティンと記録」
現代の病棟はチェックリスト満載である。急性期病院(400床以上)のある病棟をみてみよう。患者が入院してきたらルーティンとしてやらなければならない看護師の業務である。
1)入院時の初期情報を収集する。チェックリストに従って以下の項目を患者に尋ねる。ヘルスプロモーション/栄養/排泄/活動・休息/知覚・認知/自己知覚/役割関係/セクシャリティ/コーピング・ストレス耐性/生活原理/安全・防御/安楽/成長・発達。
2)家族情報を収集する。連絡先とエコマップを確認する。
3)次に持参薬を確認する。お薬手帳はありますか,服用している薬は何ですか。そして持参した薬を預かり,当日服用する薬を準備する。一連の作業は薬剤部と協働するが,時間がかかる。
4)そして「アセスメント」が始まる。まず「転倒・転落アセスメント」である。チェックリストに沿って,転倒危険度をIからIIIに分類し,看護計画に書き入れ対応策を実施する。「スリッパではなく,底がすべらない靴を履きましょう」などと。
5)もうひとつの「アセスメント」がある。「褥瘡発生リスクアセスメント」である。褥瘡を発生させる危険性(リスク度)を見積もり,看護計画に反映させる。褥瘡のリスクがあれば,褥瘡ケアチームに連絡し情報を共有する。これは「褥瘡ハイリスク患者ケア加算」の算定要件である。診療報酬を得るためにやっておかなければならない。
6)退院する際に必要な情報収集を行う。「退院支援スクリーニング」である。48時間以内に退院支援を必要とする患者を同定し,簡易...
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