医学界新聞

連載

2013.03.11

外来診療
次の一手

第12回】「2か月前から咳が続いています……」

前野哲博(筑波大学附属病院 総合診療科教授)=監修
小曽根早知子(筑波大学附属病院 総合診療科)=執筆


3014号よりつづく

 本連載では,「情報を集めながら考える」外来特有の思考ロジックを体験してもらうため,病歴のオープニングに当たる短い情報のみを提示します。限られた情報からどこまで診断に迫れるか,そして最も効率的な「次の一手」は何か,ぜひ皆さんも考えてみてください。


【症例】Aさん 31歳女性

肥満体型。飲酒,喫煙なし。特にアレルギーや既往はない。咳嗽を主訴に来院した。

Aさん 「2か月前から咳だけが出始めました。他のクリニックでは,胸のレントゲンも撮りましたし,風邪や喘息だろうと言われ治療を受けましたが,良くなりません」
Dr. M 「咳が出やすい時間帯はありますか?」
Aさん 「夜に多く出ます。昼はほとんど出ません」
Dr. M 「熱はありましたか?」
Aさん 「いいえ,ありません」

バイタルサイン:体温36.5℃,血圧110/65 mmHg,脈

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