医学界新聞

連載

2012.04.02

在宅医療モノ語り

第25話
語り手:人間力を鍛える罪な奴 お菓子さん

鶴岡優子
(つるかめ診療所)


前回からつづく

 在宅医療の現場にはいろいろな物語りが交錯している。患者を主人公に,同居家族や親戚,医療・介護スタッフ,近隣住民などが脇役となり,ザイタクは劇場になる。筆者もザイタク劇場の脇役のひとりであるが,往診鞄に特別な関心を持ち全国の医療機関を訪ね歩いている。往診鞄の中を覗き道具を見つめていると,道具(モノ)も何かを語っているようだ。今回の主役は「お菓子」さん。さあ,何と語っているのだろうか?


お断りするためのカード
お茶やお菓子を勧められて,お断りするのはなかなか難しい作法です。断る理由をあらかじめカードにしておくのはいかがでしょうか? 「皆さんに同じこと言っています」「すみません,マイ・ルールなので」みたいに。
 “王様のおやつ”と私の外袋には書いてあります。私は群馬県出身のラスクというお菓子です。そうそう,ハラダさんちの『グーテ・デ・ロワ』です。バターの香りと程よい甘さ,パリパリとした食感で,自分で言うのも変ですが,いわゆる大人気商品なんです。デパ地下ではよく行列になっているようですよ。名前が覚えにくい? 確かにそうですね。だったら1回「グータ・ラ・ママ」で覚えてください。リズムは同じです。あとは「プレーンのお砂糖のほう」で通じま

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