電気なしで持ち場を守る 手動式吸引器さん(鶴岡優子)
連載
2011.04.11
(前回からつづく)
在宅医療の現場にはいろいろな物語りが交錯している。患者を主人公に,同居家族や親戚,医療・介護スタッフ,近隣住民などが脇役となり,ザイタクは劇場になる。筆者もザイタク劇場の脇役のひとりであるが,往診鞄に特別な関心を持ち全国の医療機関を訪ね歩いている。往診鞄の中を覗き道具を見つめていると,道具(モノ)も何かを語っているようだ。今回の主役は「手動式吸引器」さん。さあ,何と語っているのだろうか?
私とペットボトル吸引器さん 吸引のパワーからすると,やっぱり私(右前端)が1番かな? ペットボトル吸引器さんは優しさが持ち味で,固めの痰は苦手。ドクターHのお勧めどおり,ボトルは「ペプシネックス」が弾力性・耐久性ともにいい感じ。他の炭酸系もまあまあ。 |
ベッドなら停電で動かなくても大丈夫? いえいえ,大変気を使います。「今日の停電は食事の時間帯だから」と胃ろうで経管栄養されている患者さんのご家族は,あらかじめ上半身をちょっと上げた状態で,停電に入る計画を立てました。「だって寝たまま栄養流したらマズいでしょ?」。おっしゃるとおりです。エアマットは? 短時間の停電だったら,ペチャンコにならないと情報を得ていましたが,実際大丈夫でした。
では,吸引器は? あのチューブは患者さん...
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