チーム医療の大切さを伝えよう――IPEの今
寄稿
2010.10.04
【特集】
チーム医療の大切さを伝えよう
――IPEの今
現在,チーム医療の考え方は不可欠になっており,卒前教育によって学生の段階からそうした認識を持つことをねらいとしたIPE(キーワード)の試みが盛んになっている。IPEは,PBLチュートリアルや合同実習などを主体としたカリキュラムのもと,保健・医療・福祉分野の大学・学部が他学部や他大学の他職種養成課程と連携し,合同で学習を進めるものだ。その教育効果に期待が高まっているが,カリキュラム作りや,専門分野の異なる学生たちの評価など本格的運用には課題が残されているのも事実だ。
そこで本紙では,特色あるIPEを展開している昭和大,筑波大,国際医療福祉大の3大学を取材。実際の教育風景と,教育にあたるトップランナーの言葉から,効果的なIPEのポイントに迫った。
IPE(Interprofessional education;専門職連携教育,関連職種連携教育)
チーム医療の重要性を伝えることをめざした教育法。世界中で実施されており,中でも英国では,General Medical Councilが発行する医学部卒前教育改革の指針「Tomorrow's Doctors」2009年版で,医学生のIPE必修化が明記されたのをはじめ,多くの医療専門職養成課程でIPEが必修となっている。さらに,世界保健機関(WHO)も今年,各国のIPE実施事例をもとに,教員養成,カリキュラムづくり,職種間の情報共有法などのモデルケースを示した「Framework for Action on Interprofessional Education & Collaborative Practice」を公表。IPEを推奨する方向性を打ち出している。
わが国でも,2008年に日本保健医療福祉連携教育学会が設立されるなど,近年注目を集めている。
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