国立国際医療センター戸山病院(水野 篤)
連載
2010.02.08
研修病院見学ルポ
~いい病院のええとこ取りをめざして~
【第10回】国立国際医療センター戸山病院
水野 篤(聖路加国際病院 内科)
(前回からつづく)
特色 高度な専門科に,さらに総合診療科が加わる診療体制。研修1年目から行える外来診療。 外来では1症例ごとにフィードバックを行い,振り返りのための教育専任の医師を配置している。 Profile
|
◆Opening
今回の見学先は,国立高度専門医療センターの一つである国立国際医療センター戸山病院。救急外来に集合とのことで向かったが,病院の正門周辺は長い間工事が行われ,来るたびに雰囲気が違うため入り口がわからない(註:今年8月に新棟が完成予定とのこと)。迷いながらもなんとか到着し,まずは救急外来から見学を開始した。
◆救急レクチャー
救急外来では,救急部の木村昭夫部長がレクチャーを行っていた。テーマは「中毒」。今回は参加できなかったが,レクチャーの前に行われる午前8時30分からの振り返りのカンファレンスで,前日救急車で搬送された中毒(詳細不明)患者の症例を取り上げたため,それに関連した内容ということでテーマを決めたようだ。レクチャーに用いたスライドは統計データを含めた考察が散りばめられ,学術的にも価値が高い。胃洗浄や活性炭の投与に始まり,クリニカルパスの妥当性の評価を行った発表も含めて,非常に興味深く聞かせていただいた。
| 朝の救急レクチャーの様子。まさに講義という雰囲気であった。 |
◆病院見学ツアー
カンファレンス後は病院全体の見学を行った。まず,研修医の寮を見学。各年45人で計90人の初期研修医用の寮と,3年目以降の寮とに分かれている。どちらも病院敷地内にあり,院内用PHSの圏内とのこと。研修医からすれば,逃げられないといったところだろうか……。掲示板にはカンファレンスや海外への研修のチラシなどが多く貼られ,やはり国際協力などに興味がある研修医が多いことがうかがえる。病棟については,ACC(AIDS Clinical Center)などは新しい施設という印象を持ったが,ほとんどの部分はある程度年季が入っているように見えた。今年8月の新棟の完成が楽しみであろ...
この記事はログインすると全文を読むことができます。
医学書院IDをお持ちでない方は医学書院IDを取得(無料)ください。
いま話題の記事
-
医学界新聞プラス
[第1回]心エコーレポートの見方をざっくり教えてください
『循環器病棟の業務が全然わからないので、うし先生に聞いてみた。』より連載 2024.04.26
-
対談・座談会 2025.11.11
-
寄稿 2025.11.11
-
医学界新聞プラス
[第4回]喉の痛みに効く(感じがしやすい)! 桔梗湯を活用した簡単漢方うがい術
<<ジェネラリストBOOKS>>『診療ハック——知って得する臨床スキル 125』より連載 2025.04.24
-
医学界新聞プラス
[第2回]アセトアミノフェン経口製剤(カロナールⓇ)は 空腹時に服薬することが可能か?
『医薬品情報のひきだし』より連載 2022.08.05
最新の記事
-
対談・座談会 2025.11.11
-
対談・座談会 2025.11.11
-
対談・座談会 2025.11.11
-
診断戦略DATESを用いて診療時の違和感を言語化し創造性を促す
寄稿 2025.11.11
-
FAQ
失行のリハビリテーション 障害の性質と介入のポイント寄稿 2025.11.11
開く
医学書院IDの登録設定により、
更新通知をメールで受け取れます。