医学界新聞

2007.12.17

 

MEDICAL LIBRARY 書評・新刊案内


人生に必要なことはぜんぶ看護に学んだ
宮子あずさのサイキア・トリップ

宮子 あずさ 著

《評 者》陣田 泰子(聖マリアンナ医大病院副院長・看護部長)

働きながら看護の現場から学ぶ

 もう何年前になるだろうか。少なくとも10年以上は過ぎている。その時彼女は,2年目研修の講師だった。当時小児外科病棟から教育担当になった私は,1年目のナースの研修は数多くあるけれど,2年目がエアポケットになっている状況を何とかしたいと考えていた。

 新たに企画した研修の講師を誰にお願いしようかと考え,先にある研修に出かけ彼女の話を聞いていた。「研修に来ていただこう」,私の気持ちはすぐ決まった。

 その日,もう到着するころだと思って玄関付近でうろうろしていた。わかりにくい場所であり,東京の武蔵野あたりから来ると言うので少し心配だった。しばらくすると玄関に大きなオートバイで駆けつけた人がいた。小柄なその人は,かぶっていたヘルメットを取って近づいて来た。顔を見て驚いた。女性だった。その大きなオートバイが,いわゆる7ハンと呼ばれているものだということを,このあと彼女の口から聞くことになった。

 びっくりしている私に言った。「宮子です。どこかに更衣室はありますか……」。その後また私はびっくりすることになった。革ジャンをぬいだ彼女は,なんと革ジャンとはおよそほど遠いカラフルなミニスカートに変身したのだ。当時はスタッフナースだった宮子さんから2時間の講義を受け,グループワークをして1泊2日の研修は好評のうちに終了した。

 各種雑誌の連載,出版され...

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