医学界新聞

2007.10.29

 

日本泌尿器科学会プレスセミナー開催


 第2回日本泌尿器科学会プレスセミナー「泌尿器科疾患の現況-腎移植と女性泌尿器疾患」が9月26日,東京會舘(東京都千代田区)にて行われた。

腎移植の現状と今後-日本泌尿器科学会の見解をふまえて

 相川厚氏(東邦大)は,日本の人口に対する透析患者数は世界一で,その数26万人はヨーロッパ全土の透析患者数に匹敵すると指摘。そのうえ,透析患者の数は毎年1万人ずつ増加しているという。この理由として日本の臓器提供者数が極端に少ないことが挙げられた(ヨーロッパ平均の33分の1)。

 現在,家族に臓器提供者がいない場合は献腎移植に頼るしかないが,その待機期間は平均16年で,その時点での生存率は50%程度に過ぎないのが実情である。相川氏は,日本の移植医療の技術は世界でも最高水準であるにもかかわらず,渡航移植に頼る現状に疑問を呈した。かつてデンマークも他国での移植に頼っていたが近隣諸国からの注意を受け,現在は自国での移植を行っている。現在,WHOからも日本は自国での移植を行うべきとする意見が示されつつあり,そのような観点からも腎移植普及のために努力しなければならないと強調した。

臓器提供に対する意識の変化
 2007年に行われた,内閣府による臓器提供および臓器移植に関する世論調査では,「脳死状態での臓器提供を希望する」国民が41.6%と以前に比べ増えてきていることが明らかになった。また現在,15歳未満からの臓器提供はできないため,15歳未満の...

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