総合リハビリテーション Vol.52 No.2
2024年 02月号

ISSN 0386-9822
定価 2,640円 (本体2,400円+税)

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特集 脳卒中治療の進歩

 血管内治療をはじめとする脳卒中治療の目覚ましい進歩もあり,「脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕」(以下,GL2023)が公表されました.また,脳卒中・循環器病対策基本法(以下,対策基本法)に基づく推進基本計画に沿って,脳卒中センターの整備をはじめさまざまな活動がなされています.脳卒中リハビリテーションもこのような変化に対応していく必要があります.近年の脳卒中治療の進歩の概況や新たな課題への対応など,本特集では先進的にこれらの課題に取り組んでいるエキスパートの方々に解説をお願いしました.

「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」と「脳卒中・循環器病対策基本法」による脳卒中医療の均てん化 小笠原 邦昭 氏
 「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」の策定,対策基本法成立によって脳卒中医療は近年大きく変化してきた.循環器病対策推進基本計画に基づき,脳卒中の医療体制の均てん化と機能分化が図られている.具体的には,一次脳卒中センター(primary stroke center:PSC),PSCコア施設の整備が進められ,日本脳卒中学会をはじめとする関連学会・団体においてもさまざまな取り組みがみられている.脳卒中医療の急性期,回復期,維持期・生活期まで組織的に連携し,検討を行うプラットフォームがない現状がある.脳卒中学会理事長の立場から,脳卒中治療の均てん化に向けた取り組みや課題などについて概説していただいた.

脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕の改訂のポイント 黒田 敏 氏
 「脳卒中治療ガイドライン」は最新のエビデンスを反映させるなどの目的で,ほぼ5年ごとの全面改訂に加え2年ごとに追補版を発表してきたが,近年の本領域の進歩は長足であり,エビデンスレベルの高い新しいエビデンスを加えたほか,新しいエビデンスはないものの推奨度が現実と乖離しているものなども見直し,GL2023では「追補」ではなく「改訂」とされた.GL2023は日常診療における患者説明,専門医紹介などに際して有効活用が期待される.改訂委員長の立場から,今回のGL2023の改訂のポイントについて解説していただいた.

脳卒中患者への情報提供・相談支援 岡田 靖 氏
 脳卒中患者・家族への情報提供と患者相談窓口の設置,啓発資材の開発は重要な課題である.PSCコア施設では,その認定要件に脳卒中相談窓口の設置が義務付けられている.PSCでも相談窓口を設置する施設が増加している.また,脳卒中療養相談士の認定制度が始まり研修会が開催されている.地域での循環器病に対する情報提供および相談支援のモデル事業として,岡田氏が所属する国立病院機構九州医療センターの活動が紹介されており,今後の活動の参考になる.

ブレインハートチーム 吉村 壮平 氏ら
 脳卒中と心疾患は血管病変という共通の病因があり,人口の高齢化もあり両者の合併事例が増えている.脳卒中治療チームと心疾患治療チームが共同で診療を行うシステム(ブレインハートチーム)は,チーム医療の先進的な形であり,いち早く本システムを立ち上げた国立循環器病研究センターでの体制や活動について紹介がある.特に,脳卒中リハビリテーションと心臓リハビリテーションが協働する「包括的循環器リハビリテーション」の取り組みは,今後の循環器病のリハビリテーションのブレイクスルーとなるかもしれない.

脳卒中リハビリテーション診療の進歩 角田 亘 氏
 GL2023公表に先立つ,2023年5月に「脳卒中急性期リハビリテーションの指針」(以下,指針)が公表された.本指針作成の背景には,標準化されていない本邦の脳卒中急性期リハビリテーションの課題──急性期リハビリテーションスタッフのマンパワー不足とそれを原因とする不十分な体制や施設間格差など──があった.本稿では,指針およびGL2023に基づき「急性期リハビリテーション」および「亜急性期以後のリハビリテーション」について,推奨度の変化や注目すべきポイントが詳述されている.

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特集 脳卒中治療の進歩

「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画」と「脳卒中・循環器病対策基本法」による脳卒中医療の均てん化
小笠原 邦昭

脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2023〕の改訂ポイント
黒田 敏

脳卒中患者への情報提供・相談支援
岡田 靖

ブレインハートチーム
吉村 壮平,他

脳卒中リハビリテーション診療の進歩
角田 亘


●巻頭言
棘上筋断裂の手術を受けて思うこと
篠田 裕介

●入門講座
てんかんとリハビリテーション②
脳卒中とてんかん
波多野 敬介,他

●実践講座
排便障害と排尿障害⑤
新しい難治性排便障害の治療法──経肛門的洗腸療法
仙石 淳,他

●研究と報告
長期生存が可能であった転移性脊椎腫瘍患者における手術後の運動機能と歩行能力との関係
川上 貴弘,他

膝痛を有する高齢者における情緒的サポートと要支援・要介護認定──JAGES 2013-2019縦断研究
坂本 和則,他


●認知症者・家族をさまざまな観点や立場から支えるコミュニケーションスキル⑥
認知行動療法の観点から
田村 法子

●子供の車椅子・電動車椅子⑤
身体に不自由のあるこどもの電動車椅子と電動移動機器(Power Mobility Devices)
高塩 純一

●公募連載
勉強会どうしてますか?②
呼吸療法・呼吸リハビリテーションにおける参加型の研修開催
石光 雄太

●Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
夏目漱石の『坊っちゃん』──両親との関係
高橋 正雄

●Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「瞽女GOZE」・2──人の情念に火をつける稀有な一作
二通 諭

●学会印象記
第39回日本義肢装具学会学術大会
越智 光宏

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