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SNSで差をつけろ! 医療機関のための「新」広報戦略

連載 町田詩織

2024.11.15

第4回では医療機関が広報でSNSを活用することのメリット・デメリットや運用に当たり考えておくべきことなどを解説しました。
今回は実際に投稿を開始するまでの流れを4つのStepに分けて見ていきます。

Step1:専用端末を用意し,アカウントを作成する

SNS運用は,専用端末を準備し,アカウントを作成することから始まります。
たったこれだけのことでも,①端末を準備,②アプリをインストール,➂SNSアカウントを作成,④プロフィールを設定といった段階があり,それぞれに注意事項があります。ポイントを整理しながら説明していきます。

① 専用端末を準備する
SNSはスマホ(タブレット)に最適化されており,PC上では操作性が劣るため,SNS用の端末としてはスマホが推奨されます。使用する端末は施設側が専用のスマホかタブレットを支給することをお勧めします。担当者個人の端末の使用は電話帳の個人情報がSNSに連携されてしまったり,プライベートの写真を誤投稿してしまったりといったヒューマンエラーの原因となるからです。また,SNSの閲覧・編集には相応の通信容量(ギガ数)を必要とすることからも専用端末の使用が推奨されます。

メインで使用する端末に加え,投稿するコンテンツの画質や描写にこだわりたい方は一眼レフやビデオ,マイクなどがあると良いでしょうし,編集にこだわりたい方はスペックの高いPCや編集ソフトを準備しても良いかもしれません。当院では,毎日の手間をかけ過ぎない,かつセキュリティ面を考慮して,法人契約のスマホを支給してもらい使用しています。

② アプリをインストールする
始めたいSNSアプリをダウンロードします。PCで操作できる場合もありますが,アプリによっては使用できる機能が限定されるため,基本的にはスマホでの操作を推奨します。

③ SNSアカウントを作成する
アプリをインストールしたら,アカウントを作成します。メールアドレス,パスワード,アカウント名などを設定し,各情報は忘れないように保管します。個人アカウントではないため,担当者の離職によりアカウントが利用不可とならないような配慮も必要です。ログイン情報は漏洩するとアカウントが乗っ取られるリスクもあるため,推測しやすいパスワードは避ける,二段階認証を設定する,パスワードを定期的に変更するなどの対応をします。

④ プロフィールを設定する
アイコンやプロフィールを作成します。アイコンはアカウントの「顔」になります。医療機関のロゴマークにする場合が多いかもしれませんが,グループで施設が複数ある場合や,1施設で複数アカウントを持つ場合などは区別がつかなくなりますので,イラストや写真など目的に即した画像を選ぶのも良いでしょう。プロフィールは他のユーザーへの自己紹介となります。パッと見て,何のアカウントか明確にわかるように,簡潔かつ魅力的に   興味を引く内容になるようにまとめます 。また,Webサイトへのリンクなどの動線も整備します。  

 

湘南藤沢徳洲会病院_インスタ.png
  •  湘南藤沢徳洲会病院のInstagramプロフィール欄
  • Step2:ターゲットを設定する

    第4回では,SNSを始めるに当たって「目的」を明確にする重要性に触れました。目的の次はターゲットを設定します。SNSを運用することで「誰」に選ばれたいのか,その人物像をできるだけ詳細に検討します。

    例えば「新卒看護師の採用」をSNS運用の目的とする場合,ターゲットは「看護学生」となるはずです。よりターゲットを明確にするために,学校は? 学年は? 性別は? 居住地は? 家族構成は? 興味関心は? 悩み事は? と,人物像を具体的に掘り下げていきます。

    ここで,できるだけ細かく絞り込むことがとても重要です。ターゲットを広く取った方が応募が増えると錯覚しがちですが,「広く浅い」設定では,ふわっとした発信になっ...

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