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第3382号 2020年8月3日


第2回日本在宅医療連合学会大会開催


 第2回日本在宅医療連合学会大会(大会長=国立長寿医療研究センター・三浦久幸氏)が6月27~28日,「在宅医療から,ふとく,ながく,私らしく生きる未来に向けて発進――多様な暮らしを支える高い専門性と多職種協働」をテーマに開催された。本紙では,特別企画シンポジウム「新型コロナウイルス感染症と在宅医療」(座長=山形県庄内保健所・蘆野吉和氏)の模様を報告する。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を「正しく恐れる」ためにできること

 COVID-19によって引き起こされるあらゆるシナリオの想定が重要だと訴えたのは沖縄県立中部病院の高山義浩氏。再流行に備えるために行うべき事項として,①早期に流行を覚知すること,②保健所業務を効率化し疫学調査業務へ集中させること,③できるだけ自宅療養を防ぐこと,④住民の外出自粛の協力を得ることの4点を挙げ,不確実な未来に備える体制づくりを参加者に呼び掛けた。

 外国人患者が多いクリニックでは,COVID-19によってどのような影響を受けたのか。多国籍街である新宿区大久保に立地するクリニックでCOVID-19対応に追われた英裕雄氏(新宿ヒロクリニック)は,「特に外国人診療は壊滅的な打撃を受け,事業所の閉鎖統合を検討せざるを得なかった」と語る。来る第2波に向けて,介護サービスおよび保健所,医師会等との連携,検査機能の拡充が必要と主張した。

 「COVID-19と対峙する最前線は病院なのか」。発表冒頭,こう問い掛けた佐々木淳氏(医療法人社団悠翔会)は,安易な病院紹介は医療崩壊につながり,結果的に在宅医療にも影響し得ると指摘。病院を「最後のとりで」と表現した氏は,在宅医療を含む地域医療が最前線で対応することを求め,COVID-19を「正しく恐れる」重要性を訴えた。

 全国訪問看護事業協会の高砂裕子氏は,協会に寄せられた相談をもとに訪問看護の実情を報告した。本年3月頃より利用者やその家族が感染を恐れ,訪問看護のキャンセルが増加したことで活動の継続に対し不安を訴える事業所が相次いだという。この事態を受け同協会は,関連団体と共に要望書を厚労省に提出したほか,訪問介護員に向けた感染対策動画を作成するなど情報共有を行った。今後は医療・介護連携における感染対策の見直しが求められると発表を締めくくった。