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2024.07.10

 第35回「理学療法ジャーナル」賞贈呈式が2024年4月20日,医学書院本社で開催された。本賞は,前年の1年間に『理学療法ジャーナル』誌に掲載された投稿論文の中から特に優秀な論文を編集委員会が顕彰し,理学療法士の研究活動を奨励するもの。2023年は26編が受賞対象となり,下記4論文がそれぞれ入賞,準入賞,奨励賞に選ばれた。

【入賞】三宅秀俊,他:成長期新鮮腰椎分離症における体幹硬性装具装着下のストレッチングが骨癒合と柔軟性に与える影響(第57巻第8号,原著

【準入賞】今井孝樹,他:鏡視下腱板修復術後における複合性局所疼痛症候群様症状の発症に影響する術前因子――決定木分析による検討(第57巻第2号,原著

【奨励賞】平野健太,他:デスクワーカーの慢性頸部痛有愁訴に影響を及ぼす身体機能因子――整形外科クリニック通院患者における横断的検討(第57巻第4号,報告

【奨励賞】大山祐輝,他:小学生の軟式野球選手におけるFunctional Movement Screenと過去の肘・肩痛との関連(第57巻第6号,報告

 入賞の三宅氏らの論文は,成長期新鮮腰椎分離症患者を対象に,ストレッチ時の硬性装具装着の有無が骨癒合と柔軟性の改善の程度に影響するか検討したもの。検証の結果,ストレッチ時に硬性装具を装着したほうが非装着時(85.8%)より骨癒合率が高く(92.2%),柔軟性の改善は装着の有無にかかわらず得られることが明らかになった。この結果は,硬性装具を装着したままストレッチを行うことにより骨癒合率が上昇し,柔軟性改善が見込めるため,より有効な治療方法であることを示している。「限られた診療時間でより効果的な理学療法が求められる現場の理学療法士にとって,極めて貴重なエビデンスと言える」との評価を得ての受賞となった。三宅氏は,「腰椎分離症の治療の選択肢の一つとして参考にしてもらえるとうれしい」と語った上で,「一人でも多くの患者さんの治療の一助となるよう,今後も論文執筆を通して情報提供していきたい」と今後の抱負を述べた。

 『理学療法ジャーナル』誌では本年も,掲載された投稿論文から第36回「理学療法ジャーナル」賞を選定する。詳細は『理学療法ジャーナル』誌投稿規定を参照されたい。

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写真 左から今井孝樹氏,三宅秀俊氏,平野健太氏。大山祐輝氏は公務のため欠席。

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